恵比寿オフィス|シックな内装の最上階区画
EDIT
>>LOCATION
恵比寿駅から明治通りを広尾方面へ。明治通り沿いには桜の木がズラッと並んでいて、春には一面がピンク色に染まる。今の時期は夏に向けて、緑が生い茂り、自然の屋根を作り上げて、陽射しを和らげる準備をしてくれている様だ。駅近くでありながらも、そんな自然をも感じられる心地良さがある渋谷橋交差点近く。レトロなエントランスを装飾するように、美しい木洩れ陽を纏ったこの建物を見つけた。
>>SPACE
そのビル名のフォントからもレトロさを感じるビル。しかし、エントランスからエレベーターまでの共用部分は、ピカピカではなく、そんなレトロさを上手く掛け合わせたリニューアルになっていて、なかなか好印象。
室内は、これまでリニューアルされてきた温もりのある印象の他のフロアとは少々異なり、シックな雰囲気に整えられていた。床材はどちらかというと使い勝手優先のフロアタイルではあるが、石調のグレーが大人っぽさもあって悪くない印象。天井は最上階ということもあって、残された断熱材のテクスチャーなどから、どこか色気も感じられる。そして、3面に窓があり、シックな中にも健やかさも備えているため、気持ち良く働くこともできるだろう。さらには最上階の窓からは、開けた青い空と、桜並木を見下ろせる特別感のある眺望まで備わった贅沢な空間だった。
>>WORKSTYLE
敢えてレトロさを残したかの様な絶妙なリニューアルをしているこの建物。もちろんピカピカの新築の様なビルを好む人々も少なくないとは思うが、このレトロなビルからは、そんな新築の物件には出せない熟成された深みの様なものさえも感じられた。さらには、季節の移り変わりを間近に感じられる様な桜並木も、時間の経過とともに大きく育ち、今の魅力あるロケーションになっていったのだろう。そんな風に時間が経っても色褪せないだけでなく、より深みを増して馴染んでいく様な良さを感じられるというのは物件に限らず、なかなか希少ではないだろうか。
この建物の様に、長い年月をかけて、積み重ねてきたものがより良い輝きを放つ。相反する様だが、この空間で生み出していく仕事やサービスを、世の中に深く浸透させながら、より高みを目指し続けて頂きたい。
EDITOR’S EYE
築年数の経っているビルではあるが、リニューアルに加え、建物前にLUUPが設置されていたり、時代のニーズに合わせていく気概を感じられる。古いからといって、固まった保守的な考えではなく、新しいものを取り入れていく柔軟性も備えた建物だからこそ、魅力を失わずにいられる気がした。