EDIT
青山骨董通りが終わりかけるあたり、一本入った静かな場所にこの建物はあった。1階にはコアなファンも多い、ARTS&SCIENCEが店を構えている。こだわりのあるショップが1Fにある。それだけでもその建物が少しかっこ良く見えるから面白い。ショップの脇にあるにぎやかな緑。以前訪れたときには、その先をあまり気にもしなかったが、よく見るとアーチ状になった緑の向こう側にこの建物のエントランスがあった。
エントランスを隠すように生い茂る自然体の緑。建物の白さとの相性もとてもよく、気持ちよくくぐり抜けることができる。コストをかけてかっこ良くキメているエントランスもいいが、このエリアにはこちらの方がしっくりくると感じる。
空間は、コンパクトにまとまり、風の抜けも良いすっきりとしたもの。裏手にあるお寺がある意味マイナス要素にもなるが、その代わりに抜け感と、緑を提供してくれる。室内の特徴はあまり強くないが、バルコニーに大きく開いた吐き出しの開口部から、差し込む日差しは気持ちいい。
水回りは生活もできる程のキッチンや、ユニットではない雰囲気あるシャワー等も完備され、とことん気が済むまで働く環境も整っていて申し分ない。この物件は、本来入居者が手を加えられない、全体の雰囲気やエントランスが魅力的に感じる。あとは、室内は自身で好きに演出することで、ついつい人に自慢したくなるあなたのオフィスが完成するだろう。
EDITOR’S EYE
空間や立地だけではなく、1階の利用者や、自然に作られたエントランスをメインに物件を紹介するのは稀である。でも、考えてみればそれはごくごく当たり前のことだということに気がつく。作り上げられたデザインだけではなく、経年による巡り合わせや、環境の変化も、その建物構成する大切な要素である。