一番町オフィス | 緑に包まれた新築デザインオフィス
EDIT
>>LOCATION
皇居の西側に位置する千代田区番町エリア。日本で初めての高級住宅地とも言われ、今でも不動のブランド力を持つこのアドレス。学校や大使館、行政機関なども点在するなど、少しお堅めな印象もあるエリアだが、最近ではカフェや公園、今どきのオフィスも新たに作られ、少しずつだが街の雰囲気も柔らかく変化しつつある気がする。そんな番町エリアの一角。麹町駅と半蔵門駅からそれぞれ4分ほどの場所に、周囲とはガラッと雰囲気の異なるこの建物が現れた。
>>SPACE
2022年に完成した新し目なこの建物。白くシュッとしたフォルムと、そこにモサモサとした多くの植物が配置されていて、ビルというよりは、まるで一つの環境を見ているようなデザイン。そんな明るく軽快なビルが、古くから重厚な建物が並ぶこのエリアの中にシレッと紛れ込んでいるのも、またギャップとしてすごく面白く感じた。
そんな外観の明るい雰囲気は、その内部へも続いていく。2F〜9Fまでの室内はどれも白いセミスケルトン仕様のデザイン空間。2方向に大きな窓面を備え、天井高は3.24Mと高いために解放感もあり、窓の外には緑が生い茂るバルコニーも付いている。外観に負けじと室内も明るく柔らかで、周辺も静かな環境のため、室内には穏やかな空気が漂う。窓を開ければ、グリーンを介して気持ちのいい風がすーっと室内を抜けていくなど、気の流れも良さそうな空間だった。
こんな空間だけでも十分満足感は得られるものの、この建物は共有部までも充実しているのが魅力。1Fのエントランス脇には共有のラウンジスペースや貸し会議室、外にはガーデンテラスまで。また、屋上スペースも出ることができる。そこは周辺の眺望が抜けており、陽や風も存分に感じられて、控えめに言っても最高の場所だ。建物全体でさまざまなシーンを想像させてくれる。そんなサービス精神旺盛な建物だった。
>>WORKSTYLE
居室内はこの空間の抜け感を活かすため、イメージとしてはこのままワンルームで使う感じがいいだろうか。床だけは入居者側で整える必要があるが、それ以外はこのセミスケルトン仕様のラフさを活かしたまま、カジュアルに家具を整える程度でOK。また、そんな空間をベースにしつつ、打ち合わせは1FのラウンジやMTGスペースを使い、天気の良い日は外のガーデンテラスでテレワークなど。この建物では居室内に囚われず、建物全体がまるで自分のビルかのように、解放された自由な働き方にトライしてほしい。むしろそんな力の抜けた感じが、この建物の温度感にもうまく合っており、まだまだお堅いイメージのある番町エリアにあるからこそ、すごく新鮮にも感じられるはずだ。そんなカジュアルな働き方を予感させるこの建物。このエリアにイノベーションをもたらす新しい風として、これからの活躍に期待を感じている。
EDITOR’S EYE
このエリアは、いわゆるTHEオフィスビルや、道ゆく人もキチッとした雰囲気で、まだまだお堅いイメージが強い。しかし、徐々にデザイン性の高いビルや、サービスオフィスのようなカジュアルなスタイルも増えてきて、徐々にだが働き方にも変化が出てきている気がする。そんないいタイミングで完成したこの建物。デザインも良し、環境も良し、働き方も楽しみな、抜け目なしな建物だ。