麻布十番オフィス |レジデンス物件
EDIT
>>LOCATION
麻布十番駅のすぐ目の前に伸びる麻布十番商店街は、近年の商店街のシャッター街化とはまるで無縁で、活気がある。甘いもの店や食事処が多く並び、全体的にふわりといい匂いが漂っていてなんだか和む通りだ。そんな商店街を5分程ぶらぶらと歩くと、辺りは一気に閑静な高級住宅街へと変わっていく。今回見つけた物件があったのは、そんな住宅街の入り口あたり。優雅で堂々とした家が並ぶ中で、周りの家々に負けず劣らずの重厚な外観に守られながら、ひっそりと息を潜めていた。
>>SPACE
今回募集となるのは、1989年竣工のレジデンス物件。しんとした静けさが広がる空間は、天井の装飾や艶のあるフローリングが特徴的で少しレトロさも感じる品の良い創りとなっていた。特にリビングは、小さな庭の緑が日光と共に空間に彩りを与えていて心地良い。現状の庭は和風の仕上がりで、訪れた日が雨だったこともあり艶やかな日本らしい景色が楽しめ、そんなところからもこの物件の品の良さを感じ取ることができた。そして、静かすぎる空間に、自然と忍び足になりつつ部屋の探索を続けていると、急に目の前に不思議な空間が現れた。今までの印象からガラッと変わり、実験室のような雰囲気すら漂う空間にあったのは、普通の家やオフィスではまず見かけない、約5mほどの特大キッチン。表向きは穏やかで印象の良いレジデンスでありながら、実は、ワクワクさせてくれるような実験室付きというキャラクターには、他の物件には無い、唯一無二の面白さを感じた。
>>HOW TO USE
元々はキッチンスクールとして利用されていたようだが、このレベルのキッチンを備えた空間をオフィスとして利用するなら、どんな使い方が向いているだろうか。有名なところでいうと、スキンケアグッズなどを製造している”LUSH“は、キッチンを使って調理するように製品を作り上げているとか。かなりニッチなケースかもしれないが、そんな風にフード系の企業に限らず、あらゆる実験スペースとしては大いに活躍させることが可能だろう。そして、製品開発部門の傍に設けるオフィス空間として、お勧めしたい場所はリビング。ここは三面に取られた窓からの光がほんのり暖かく、まさに家で寛ぐような心地良さを感じるので、リラックスして作業に没頭することができる場所となるだろう。いずれにせよ、レジデンス×オフィス×特大キッチンというかなり異質な組み合わせの空間となるが、その異質さから感じるポテンシャルも大。今後、この空間を誰がどのように調理していくのか、ぜひその変化を見届けたい。
EDITOR’S EYE
駅からは少し歩くが、駅からの通勤となれば毎日美味しいものが揃う商店街での買い物が楽しめるので、個人的には羨ましい立地。休憩中、静かな庭で甘いものを頬張れば、良いリフレッシュタイムになりそうだ。