代官山SOHO | 最上階メゾネット 居抜き空間
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LOCATION
代官山駅から八幡通りを抜けて、旧山手通りへと足を運ぶ。通り沿いにはヒルサイドテラスシリーズが続き、路面にはレストランやショップ、ギャラリーなども点在する、代官山を代表するこの通り。街路樹の緑も気持ちよく、道ゆく人も皆おしゃれ。そんなのんびりとした優しい街並みに、感度の高いショップや人々が集まる感じが、代官山らしくて好きだ。そんな旧山手通りを進み、T-SITEを越えてすぐ向かいの道路沿い。そこに表面の半分が蔦に覆われた、とても雰囲気のいいこの建物が立っていた。
SPACE
1Fに「Saturdays NYC」の入るこの建物。ご紹介はその上の2F-3Fの最上階区画で、道路沿いにある階段を上がっていくと、室内に踏み入ることができる。室内は、現入居者であるデザイン会社が丁寧につくり上げたもの。スケルトン仕様の空間をベースに、シンプルながらポイントポイントでうまくデザインを落とし込んでいて、置かれている家具やアート、そこで働いている姿など、いちいちカッコいい。空間はどちらもワンルームのように視線が抜け、風通しも良く、南に面する窓からは陽もよく照らす。また、外にはグリーンが茂る気持ちいいテラスも備わり、高台に立つため、眺望もなかなか◎。オフィスでありながら、どこか住まいのような落ち着きや居心地の良さがこの空間にはあって、言葉にしづらいけど、気張らず過ごせる“ちょうどよさ”が、確かにここでは感じ取れた。この誰もが羨む代官山の立地で、見た目の面白さもあり、その上の最上階で、そしてこの空間。こんなに整いすぎていいのだろうか?とも心配になってしまうほど、魅力がたっぷりな空間だった。
WORKSTYLE
今回は、この空間を居抜きで引き継いでくれる方を探している。本来はスケルトンに戻さなくてはいけないようだが、これを0に戻すのはなんとも惜しいし、単に勿体無いだけではない。実はこの空間も、前の入居者から受け継いだもの。当時はショールーム仕様だったこの空間に、今の入居者が自分たちの感覚を重ね、ブラッシュアップし、空間の価値を高めてきた。そうやって続けてきたこの空間のストーリーを、ここでバッサリと途絶えてしまうことが一番悲しく思う。このバトンを受け取って、物語の続きを描いていく。そんな働き方は、今の時代にとてもフィットしていると思うし、何より、これまで大事にこの空間を育ててきた方々が込めた愛着に、そっと敬意を払う素敵な姿、生き方ではないだろうか。自分でつくる楽しさと、この空間を引き継ぐ面白さ。この空間のつづきを面白がっていただける人に、この場所をうまく繋ぎたい。
EDITOR’S EYE
本文でも述べたが、この立地、この建物、最上階区画、そしてこの空間。こんなにもいい条件が揃った物件はなかなか貴重ではないだろうか?空間に加え、この家具類もこの部屋に併せて備えた経緯もあり、同時に引き継ぎ(譲渡費などは相談)も相談できるようなので、家具を揃える必要もなくなるかもしれない。