南青山オフィス・店舗｜青山通り1棟貸しの居抜き空間

>>LOCATION
ここは表参道駅周辺の青山通り。道路の両側には背の高い建物がびっしりと、ひしめくように並ぶ。少々窮屈さを感じそうであるが、道幅はゆったりで、上を見上げると空は広がり心地よさを感じられる。通り沿いはこのエリアらしい洗練されたショップも多く、360°色んな所に目移りしてしまいそうになる。そんな華やかな青山通りを、外苑前駅方面へ。ポルシェのショールームの手前辺りに、この建物は、周囲の建物より一回り小ぶりながら堂々と立っていた。

>>SPACE
広々とした青山通りを歩いて辿り着いた先は、1フロアおよそ5坪程の一棟ビル。室内では人との身体的距離が自ずと近くなるような、プライベート感のあるサイズだ。そんな縦方向に伸びるビルの前入居者は、美容機器メーカーのサロンで、今回はその居抜きの状態で募集中。中に入ってすぐ気が付くのは、1F〜3F+屋上のフロア構成となるこのビルにエレベーターは存在しないこと。意を決して、最上階まで一気に登ってみると、上に行くに連れて見える景色が変化し、屋上では青山通りを見下ろすといったプレミアムな景色も楽しめる。室内は、コンパクトなフロアが吹き抜けを通じて小さいながらもゆったりと構えており、その空間の面白さと、目線の変化により、屋上までのアプローチもそこまで苦ではない。“次第に景色が良くなる“ことと“登る”という動作が、まるで塔を登っているようにも思え、なかなか楽しい体験をさせてくれるスペシャルな建物と感じた。

>>WORKSTYLE
非常に面白みのある建物ではあるが、コンパクトすぎる室内で、お手洗いは最上階にあるし、エレベーター無しとなると、ここで働く、物を売るというのはあまり現実的には感じなかった。そもそもこの建物は、交通量の多い青山通りという立地を活かし、その存在自体をアピールする、いわば“看板”としての役割を与えられたのではないだろうか。如何に自社の製品やサービスを世間に注目してもらう、認知させるために、この場所で広告を打ってみる。たまには建物に立ち入ってもらい、南青山という印象と商品を一緒に体験してもらう。そう考えられれば、どんなに夜遅くても目を惹くようなライトアップで、横を通るその一瞬だけでも特別な印象を与えられたりしたら面白そうではないか。いくつもの建物が並ぶこの青山通り沿いで、細くとも、ちっちゃくとも、存在感を十分に発揮し主張してみる。コンパクトだからこそ振り切って遊びきる、世界観を作り込むというのも難しくないのでは？ちっちゃくてもその存在感を発揮できるポテンシャルのあるこの建物が、今後どうなるのか楽しみでたまらない。

このエリアであればもっと背の高い建物を建てられたはずだ。しかし面積の都合上、泣く泣く階段で上がれる限度の高さに設定したに違いない。上り下りの覚悟は必要だが、これもペンシルビルの良さだと思って楽しんでもらいたい。