東日本橋オフィス | B1F-1F居抜き空間
EDIT
>>LOCATION
古くから繊維系の卸問屋街として栄えていた馬喰横山周辺。時代の移り変わりと共に、今では店舗数も減少の一途を辿り続けているものの、近年ではその跡地がリノベーションによって、今っぽいおしゃれな姿へ生まれ変わる事例が年々増えてきている。おそらく今後もさらに活性化していき、時期にこのあたりはお洒落な街として新しい脚光を浴びるんじゃないかと、個人的には密かに期待しているエリアだ。そんなリノベブームが広がったのはここ10年ぐらいだが、実はそのもっと前に、先駆けとして誕生したのがこの建物である。
>>SPACE
元々はタオル卸問屋の倉庫として長く使われていたという建物。それが2003年のコンバージョンによって、今の姿へと生まれ変わった。今回ご紹介するのは、この地下部分にある空間。建物脇にあるショーウィンドウのような専用のガラス戸を入り、吹き抜けた大きなエントランス空間から、その先に段々と続くスキップフロアを下りていくと、メインの広々とした空間が現れる。以前まで設計会社のオフィスとして長く使われていた空間で、この内装はその時の名残だという。うまくレイアウトされているためなのか、地下なのに変な窮屈感はないし、むしろ雰囲気が良くて全然アリな空間だ。そのスペースの奥にはもう一つの玄関があり、そこを出て階段を上がれば、ビルの本来のエントランスへとつながる。そんな構成から気付く人もいるかもしれないが、元々はこのスペース、地下駐車場だったのだろう。卸問屋だったので、日々多くの荷物を出荷し、事業の基盤を支えていたのは実はこのスペースだったはず。ふとそんな背景に気付いた時、このスキップフロアの作りや2つの動線などの疑問も繋がって、すっきりした感じと共に、よりこの空間の深みを感じられたような気がした。
>>WORKSTYLE
まるでモデルルームを見ているように、今の姿からは、ここでの過ごし方、使い方がとても想像しやすい。なんならこのまま家具だけ入れて、照明をセッティングしてあげるだけで、すぐ立派でおしゃれなオフィスが完成してしまう。そんな手軽さもこの空間の魅力だ。地下なので窓がなく、外の時間や天気の移ろいも感じにくい面はあるが、その分時間を忘れてずっと作業に集中してしまうような、ある意味危険なスペースにもなるかもしれない。決して業態を選ぶわけではないが、そんな空間の特性から、どれかというとクリエイティブ系のオフィスに相性が良いいんじゃないかと感じている。かつてはこの空間を起点に、自慢の製品を全国へ出荷されていった。そこから姿形は変えど、今後もまた、新たに生み出したアイディアや作品を、ただ内に止めておくのではなく、どんどん外へ発信されていくようなクリエイティブ拠点へとこの空間がなって行ったら、うまくこれまでのバックグラウンドとリンクしていき、より深みのある素敵な存在となっていくんじゃないだろうか。
EDITOR’S EYE
共有部・占有部ともに、スケルトン仕様のデザインで、常に人気の高い物件。今では当たり前となったスケルトン仕様だが、このリノベ当時としては先進的な仕上げだったとつくづく感心させられる。ちなみにこの区画、居室内にトイレはないため、共有部のトイレを使うことになるのでご注意を。