東麻布オフィス・店舗｜天井高4m超 地下空間

>>LOCATION
各国の大使館が点在する、桜田通りの板倉交差点界隈。絶えず警察官が立っていることから、常に緊張感あるムードが漂っている。その交差点から赤羽橋方面に坂道を少し下った場所に、1Fに感じの良いBeer bar&cafeが入った建物が東京タワーを見上げるように立っていた。

>>SPACE
2015年に建物全体をフルリノベーションした建物。今回の募集はB1F区画。道路面から直接地下へと向かう片面がレンガの壁となった細い階段は、その本格的な作り込みにより、1段1段降りる度に期待感が膨らむ。そして、可愛らしい扉を開けると、まるでブルックリンを思わせるような空間の世界観に一気に引き込まれた。
元々はプライベートジムのスペース。日本ではなかなか実現しにくい4mを超える天井高に、床はフローリングとグレータイル、そしてレンガの壁や、剥き出しのブロックなど、躯体の質感も活かしながら、入念に作り込まれていて完成度がかなり高い。地下区画は、光も入らないことから苦手意識があったが、このレベルのクオリティであれば、そんな気持ちもどこかへいってしまった。このスペースに、実際よりも広がりを感じるのは、片面が鏡張りになっているからだろう。
地下をポジティブに考えるとすれば、窓も無く、完全に外部とシャットアウトされていることで、この完成度の空間が造れているのだと思う。光を見たくなった時は、建物内に東京タワーを頭上に望む屋上や、カフェを横に備えた共用ラウンジもあるので、安心していただきたい。

>>WORKSTYLE
造りとしては、店舗やスタジオとしてのイメージがしやすいが、オフィスとしての利用も悪くないと思う。その場合は、揃える家具もこの世界観を壊さないように配慮しつつ、ジムという背景も引き継ぎ、ストイックに仕事をしてみるのもいいかもしれない。
プラスαのアイデアとして、この色気たっぷりの空間を最大限活かし、オフィス兼BARとしてみるのはどうだろう。東京タワーのライトアップと共に、オフィスの灯りも少し落とし、大人のムードが漂う、顔見知りや招待客限定のBARとする。オフィス＋αとしてのユニークさは元より、昼間とは違うコアなコミュニケーションが取れる社交場となることも期待できそうだ。
やや妄想気味になってしまったが、この空間のクオリティから感化されて、働く人を取り巻く環境もきっとプラスに転じていくのではないだろうか。それが、時間や効率なのか、はたまた、繋がりや広がりなのかは入居者次第になるが、遊び心も忘れずに色々な質をとことん高められるものとなると面白い。

天井にはスピーカー(残置物)もあるため、地下スペースということを活かして、音量高めで音楽を流すことも出来そうだ。これだけ作り込まれた空間を引き継ぐことになるが、原状回復義務については相談可能とのことなので、安心して入居して頂けるかと思う。