南麻布オフィス|レジデンス仕様 SOHO空間
EDIT
緑豊かな有栖川公園と、おしゃれさを兼ね備えつつ下町っぽさを残す広尾商店街。その丁度境目ともいえる広尾橋の交差点を外苑西通りに沿って西麻布方向へ。学校、大使館、高級住宅街と派手さはないものの色々な華やかさがあるこの街は、すれ違う人からも学生、外国人にハイソなマダムとバラエティに富んだ独特な雰囲気を放っている。歩を進め、少しそんな雰囲気が薄まり始める頃、1本住宅地に入り込んだところにこの建物を見つけることができる。外苑西通りの賑わいから完全に切り離された落ち着いた住宅街の一画だ。スイス大使館のすぐ脇ということもあり、この建物を見つけるのと同時に大使館の庭の塊のような緑が視界に入ってくる。大きな区画によって整備された街並は、高級住宅街の一画であることを肌で感じさせくれ、安心感すら抱かされた。
建物は決して大きくは見えないが、今回募集のフロアは贅沢な面積を3LDKで区切ったゆったりとした作りになっている。そもそもは見ての通り住居区画となるため、働く場所としてメインとなるのは32畳に及ぶリビングダイニングが中心となるだろう。1日の多くを過ごすリビングだけあって、広い、明るい、と居心地の良さは保証できるレベル。隣接する少々レトロ感漂うキッチンは新品同様で、あえてこのカラーにこだわっているのだろうとそのセンスにも感心させられた。別にある3つの個室は、それぞれ余裕のある広さを確保しているため、働く場所としても、打ち合わせスペースとしても使い分けができ、このプランの使い勝手の良さにも好感を持ってくれることだろう。
全体的に静かで穏やかな空間。多くの開口部も惜しみなく光を注ぎ込み、住居ならではの居心地の良さを感じさせてくれる。そんなリビングでの働き方は、自然とマイペースに仕事に没頭できるスタンスを守ってくれるのではないか。働き方の自由度が高まっている昨今、あれこれ難しく考えずとも、敢えてリビングで働くというシンプルなやり方で、自然と定着する働き方は、抵抗なく受け入れられるのではと思った。
EDITOR’S EYE
レトロな雰囲気が素敵だったのはキッチンだけでなく、バストイレも。いわゆる高級住宅らしく、2箇所バストイレの水回りは少しオーバースペックかもしれないが、とことん居心地よく働くために、どちらかはそのまま本来の機能を使うものとして残しておいていただきたい。