南青山|築浅1Fメゾネット空間
EDIT
>>LOCATION
場所は青山一丁目。青山通りと外苑東通り沿いは大きな規模のビルが立ち並び、大手企業がオフィスを構えている。そこから少し青山、六本木側の裏通りへ入り、ランチ時にはたくさんの人々で溢れる飲食店が軒を連ねる建物を横目に進んだ先、パークコート青山ザ・タワーの麓とも言える位置に、シックな外観の築浅ビルを見つけた。
>>SPACE
左右の棟がシンメトリーに並んだ双子のようなフォルムのビル。今回はその1F-B1Fのメゾネット区画をご紹介する。建物外観はコンクリートとブラックでスッキリとまとめられていて、スマートな印象。そこに正面の道路沿いに整備された緑の延長線のように、1Fのそれぞれの区画への直接アプローチを植栽が彩り、第一印象はかなり良い。
室内へ入ると、フローリングの床に、コンクリートの天井、そしてライティングレールやサッシ、階段手摺やエアコンなどは全て黒で揃え、引き締まった印象のシャープな空間になっていた。B1Fは水回りが無い分広さは1F以上、ライトコートから採光も確保されており、地下らしくない明るさで、気持ち良さすら感じられた。
設備は男女別のトイレやシャワー室まで完備しており、全体を通してスマートな仕様の空間。しかし、空間を構成するシャープさやスマートさもさることながら、この空間に足を踏み入れた時に押し寄せてきたのは、少し違う柔らかな感覚だった。
>>WORKSTYLE
この空間にいると何故だろうか、すごく穏やかな気持ちになるようなそんな印象があった。おそらくは1Fの窓面の多さから入り込む日差しや、窓先に見える緑、そして、青山一丁目駅から3分という駅近の立地でありながら、車の往来する音などもあまり聞こえない静かな環境から来るのかもしれない。そんな穏やかな居心地の良さを感じる空間では、せかせかとせず、リラックスムードで働きたくなる。
あまりオフィスらしいデスクなどで決めすぎるよりも、ヴィンテージ感のある木製の家具などで少しカジュアルさを演出。空間内にも植物を多く配置して、自宅の延長線上のような雰囲気で働いてみてはいかがだろうか。
現代の世の中はネットの普及によって、まるで現地に行ったかのように体感できるほど、視覚からの情報が充実しているだろう。それでも、この空間のように、実際に体験してみて初めて感じる印象もきっと多いはずだ。まずはこの空間の居心地の良さ、気の良さを肌で感じて頂ければと思う。
EDITOR’S EYE
2F以上には1Fとほぼ同一形状の空間が左右の棟にそれぞれ5Fまで重なっている。コンパクトだが、上層階からは抜け感の良い眺望が望める点はまた魅力的だ。