EDIT
場所は表参道、人が止むことのない青山通り沿い。通りの向こうに見える青山学院を背に、路地をまっすぐ進んでゆく。喧騒も遠のく頃、洒落た建物だなぁと思い足を止めると、中にはこんな空間が広がっていた。
中に入ろうとしてまず驚くのは、扉の背がとても高いこと。そのスラッとのびた白い扉は、なんと2.6mもある。中に入ると、さらに3.1mもの天井高が確保されている。螺旋階段で縦につながる空間を担う大きな壁は、朱色に近い暖かい色味の、漆喰の壁になっている。あとはコンクリート打ちっぱなし、フローリング、白い鉄の扉や階段…。様々な素材で構成された室内は見ていて飽きることがなく、室内を実際より広々と感じさせているように思う。贅沢にスペースのとられた、吹き抜けの共用中広場。各区画の窓からは、この広場に向かって視界がひらけている。しかし、少し変わったファサードによって、うまいことそれぞれの室内は見えないようになっているのでご安心を。ファサードと各窓の間には、簡単なバルコニーというか、ここには植物を置くのがよさそうだと言わんばかりのスペースがあるので、どうかうまく活用していただきたい。
同じ建物内には、デザイン系の事務所が多く入っており、建物内外でセンスの鋭そうな人とすれ違ったりする。意欲に満ちあふれた人々の集う場で、日々刺激を受け合い、与え合う。朱に交われば朱に染まる、その”朱”を先導してやる、そんな気概を持った方に、ぜひ働く拠点として巡り会ってもらいたい物件だ。
EDITOR’S EYE
窓自体ははめ込んであり、換気したい時にはバルコニー部分の扉を開けるか、換気用の小さな通気口を開けてもらうことになる。その換気口といい細かい仕様が、どこか海外を思わせるような気配を含んでいるので、ぜひ実際に足を運んで見て頂くことをおすすめする。