北参道オフィス|屋上付きのリノベーションオフィス
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LOCATION
北参道と原宿の中間地点。千駄ヶ谷小学校交差点付近で明治通りから1本西側に入ったエリアには、雰囲気の良いカフェが点在している。駅から離れる分人通りは減り、ゆったりとした空気感であるものの決して淋しさは感じない。原宿の華やかさを躱し、アパレル・ファッション寄りの千駄ヶ谷の間をとった様ないい感じの雰囲気。そんなエリアの、コンビニ近く、コーヒースタンドの真上という、なかなか贅沢なロケーションにこの空間を見つけた。
SPACE
2021年1月に1棟丸ごとリノベーション工事を施された建物で、今回はその最上階に位置する3Fと4Fのメゾネット区画+屋上の紹介。空間自体は、開口部が多く、至って気持ち良し。撮影に向かったのは午前中だったので比較的柔らかい光に包まれていたが、南西や西がメインの開口部になるため、午後にはもっと健やかさが増すことだろう。
既に完成度が高く、デスクすらも備っている3Fとは対象的に、4Fは3つの個室に分けられているが、用途を別にすることも想像できる汎用性の高い作り。そして、細かいところでは、複合機やコート掛けなどを置いてくださいと言わんばかりのスペースや、階段下の大小異なる収納、トイレ内の隠れ扉を開くとバスルームが登場するなど、もはや気が利きすぎているレベルの作り込み。
室内に入った瞬間はデザイン性の高い内装に目を奪われたが、よくよく観察すると機能面もきちんと考えられていて、入居者を迎え入れる準備は万全。そんな、完成度が高いのになぜかまだまだ働くシーンは夢が広がるワクワクさせられる空間だった。
WORKSTYLE
“ダガヤサンドウ”と呼ばれる、人気のこのエリア。訪れたことがある人には理解していただけると思うが、明らかに”良い気”が流れているように感じる。あまり背の高い建物がなかったり、交差点が多いため必然的に何もない空間が生まれたりなど、空が広く見え、風が抜ける構造になっていることが要因かもしれない。徐々にではあるが確実にお店も増えており、エリア全体が緩やかな上昇気流に乗っている印象だ。
この空間においては、空間の完成度故に、少しの家具を用意するだけですぐに業務を開始できる。ということは、反対に言えば、次の移転のインパクトも小さいということ。成長過程にあり、数年後には次の拠点を探さなければいけないような企業には、このエリアと空間に備わる緩やかで心地よい上昇気流は、とても相性が良さそうな気がした。
EDITOR’S EYE
約60㎡ある屋上も専有使いが可能という珍しい特典もコンパクトビルならではで、ちょっとした休憩はもちろんのこと、天気の良い日には屋上で仕事をするのも気持ちが良さそうだ。3Fの執務スペースには17席が用意されているが、少し手狭になってきた段階でも、リモートワーク中心であれば若干の猶予が与えられるかもしれない。打ち合わせが被った時には、周辺のカフェや屋上もミーティングルームの1つとして考えてしまおう。