恵比寿SOHO｜3方向バルコニーのメゾネット空間

>>LOCATION
場所は恵比寿。駅直結のアトレやガーデンプレイスなどの商業施設の他、おしゃれなお店や年配層にも愛される昔ながらのお店も点在し、幅広い層の人々が賑わう。ご紹介する建物は、そんな賑わいを見せるエリアともほど近いが、シンとした空気を感じられる恵比寿4丁目の住宅街。入り組んだ路地を奥へ奥へと進んだ先に、こぢんまりとしつつもその外観の雰囲気の良さからか、どこか期待を持てるマンションを見つけた。

>>SPACE
募集はB1F-2Fのメゾネット区画。玄関扉を開くと、1Fにはフロアがない。あるのは階段のみで、“上に行くか”“下に行くか”の選択を迫られる。緩やかにカーブした階段を下った先のB1Fは、およそ20㎡のコンパクトな洋室でありながら、天井の高さや広いドライエリアから陽の光も差し込み、思ったより窮屈感は感じられない。一方2Fは、床材が無垢フローリングで、天井の造りを含め雰囲気の良さが感じられ、築20年以上経過しているとは到底思えない。バルコニーは贅沢に3方向。そして、その中のメインともいえるウッドデッキテラスは、大きく開口する4枚引込み扉の先で、高台立地ということもあり2Fでありながら、それ以上のポジションから見下ろすような眺望も楽しめる。3フロアは完全に仕切られている訳でなく、吹き抜けで繋がっていて、なんだか斬新。上り下りの大変さを理解した上でも“これは全然あり”と思えるほど、ユーモラスな空間だった。

>>WORKSTYLE
独特な間取り形状であるが、B1Fと2Fの上下関係は悪くないなと思った。地下だけあって居心地の良い籠り感はあるし、水回りもあるから完全なるプライベート空間。一方2Fは、引込み扉を全開にすればリビングルームと一体となって、外の空気に触れながら気持ちよく過ごすことができるかなりオープンな空間。どちらのフロアも仕事をする場所としても十分イメージが付くはず。じっくり集中したい時は、地下で籠って黙々と作業ができそうだし、上と物理的な距離があるから、少し込み入った話もできそうだ。爽やかな気分で作業する際は断然上の階。キリの良いところで手を止め、友人を呼んでウッドテラスでお酒を嗜むのもいいだろう。
最初、戸惑いは感じるかもしれないが、この良好な上下関係を備えた空間とは様々なシーンで相性よく過ごせるはずに違いない。

細かいが、個人的にはウッドデッキテラスとリビングルームの床のレベルが同じなのが高ポイント。チェアやサイドテーブルを外に出しやすいし、扉を全開にした際はリビングルームと一体となって広々とした空間を演出できそう。春秋は、窓をオープンにして気持ちのいい外の空気を感じながら過ごして欲しい。