南青山オフィス|隈研吾建築事務所設計 SOHO空間
EDIT
>>LOCATION
表参道から銀座線で一駅。駅周辺にはオフィスが立ち並び、神宮球場や秩父宮ラグビー場などスポーツ施設も充実し、幅広い人が集まる外苑前エリア。駅前の青山通り沿いから路地に1本入ると、都心の中に突如現れる竹林をご存知の方もいるのではないか。今回、梅窓院の隣に聳え立ち、近代的でありながらも、建物自体が目立つのではなく、周りの環境と自然に融合するかのようなシュッとした建物に潜入することが出来た。
>>SPACE
何を隠そう隈研吾建築事務所が設計した建物。シンボリックな竹林のエントランスは、日本古来の「わびさび」を醸し出しており、竹の葉が風に揺れる音がとても落ち着かせてくれる。
そんなエントランスを抜け、今回募集となる11F区画へ。室内に入ると白を基調とした清潔感ある空間が現れ、日中の陽当たりも申し分ない。最初は、3LDKの住宅仕様という先入観があって、細かく分かれていることは覚悟していたが、足を踏み入れてみれば、リビングからそれぞれの空間との連続性があり、大きな開口部から抜けのある景色と、狭隘さはなく十分以上に開放感を感じることが出来る空間だった。L字のバルコニーに出ると、東京タワーや六本木ヒルズを望むことができ、撮影時は昼間だったが、夜の景色も楽しみにさせてくれた。
空間に入ってみれば、総合点はかなり高め。それぞれの空間が分かれているからこそ、全ての空間に繋がるリビングで顔を合わせつつも、オープン過ぎず、集中したい時には各部屋に籠ることも出来て、オフィスとしての使い勝手も悪くなさそうと感じた。
>>WORKSTYLE
住宅仕様ともあって過剰な設備もあるが、玄関からリビングまでの廊下は短く、面積は有効に使える間取り。オフィスとしての利用は、リビングをメインのワークスペースに、打ち合わせスペースを1、2部屋確保出来るイメージをしていただけるだろう。基本的には、各部屋の扉は閉めないことをお勧めしたい。個室が3つと分かれているが、立ち入って見れば、この物件は、リビングに通じる扉を開けていることで、空間の一体感がかなり感じられる良さがあった。
住宅において、必ずリビングを通らなければ各部屋に行けない間取りは安定した人気があるプラン。それは家族とのコミュニケーションが損なわれないように配慮したものと考えていたが、オフィスにおいても同様な役割を果たしてくれることに気が付く。スタッフ同士の適度な距離と、集中できる環境。そして、お客さんが来た時は必然的にスタッフと顔を合わせて挨拶をすることになり、程良い距離感のコミュニケーションが生まれる場となるだろう。建物が、周りの環境と一体化するすることを意識する隈研吾氏の設計のように、ここで働くメンバーにおいても、程よい距離感を感じつつも、居心地の良い空間で、この空間ならではの一体感が生まれることを願っている。
EDITOR’S EYE
バルコニーから下を覗くと、梅窓院の墓は遥か下。墓viewでも、綺麗に整理されているため嫌な感じはほとんどない。バルコニーは広めなので、気候が良い日には外でのんびり過ごすのも気持ちがいいだろう。