渋谷オフィス｜天井高しリノベ1F路面区画

>>LOCATION
渋谷駅西口から国道246号にかかる歩道橋を渡ると広がる桜丘町。現在は大規模再開発が始まり、すっかり風景も変わってしまっているが、少し前までは昔ながらの古い街並みと桜並木が印象的なエリアだった。そんな桜丘町の縁をなぞるように走る国道246号を三軒茶屋方面へ。セルリアンタワーの数軒先の歩道が緩やかに盛り上がった頂上辺りに、この少々古びた建物はあった。

>>SPACE
2018年にリノベーションされ、イベントスペースとして利用されてきた1F路面区画。路面でありながらも、盛り上がった歩道に位置するため、246はもちろん、首都高ですらほぼ同じ目線に走るという面白いポジション。
室内は元の床材を剥がした跡を敢えて残していたり、仰々しいほどのダクトや鉄骨の梁が剥き出しになっていて、全体的にはラフな印象の仕上げ。壁から天井へかけては白ベースに塗装され、約3.4mある高めの天井高と相まって空間は広々と感じられる。空間の奥にあるキッチンは本格的なサイズ感と機能性は備わっているが、壁と同様にその側面は白で塗装されたレンガで覆われ、空間に上手く馴染んでいた。室内は手をほとんど加える必要がないほど整っているため、家具を持ち込むくらいの準備でもう空間は完成するレベルだ。
そして、この建物裏側の1F入り口横に設けられた共用のラウンジスペースや、桜丘町へと抜けた眺望も楽しめる屋上も利用可能と、共用部も抜かりなく整えられていた。

>>WORKSTYLE
渋谷駅徒歩圏内の１F区画。とは言いつつも、渋谷の中でも少々控えめなポジション。さらに路面1F区画でありながら特殊な目線と、なんだかちょっと勿体無いと思う要素が重なる。そんな中でも空間はかなりgood。店舗やショールームとして活用するのも、もちろんオフィスとしてもすぐにイメージが広がるし、利用用途の自由度も兼ね揃える。そんなことから、ちょっと冷静に考えれば、ここって使い方次第でとても化ける可能性がある様に思えないだろうか。少し躱した立地だからこそ、周辺のカラーに引っ張られず独自の世界観を打ち出し、注目を浴びるというケースも少なくない。空間も良いし、利便性や機動力だって申し分なし。立地やポジションによって少々控えめに収まってしまっているこの空間は、次に誰と何をやるかによってとんでもないパフォーマンスを発揮する気がしてならない。

このギャラリースペースへとリニューアルされる前には実はコーヒーチェーンが店舗を構えていた。現在のシックなグレーの外装とは打って変わって、ピンクの外壁だったなんて、今では想像ができないだろう。