原宿SOHO｜コープオリンピア 欅の緑を眺める部屋

LOCATION
表参道の起点となる、神宮橋の交差点に立つコープオリンピア。今年でちょうど還暦の歳を迎えたこの建物は、もはや単なる建物という枠を越え、欅の緑とともにこの表参道の風景と言っても過言ではないだろう。周辺には昨年オープンしたハラカドや、間もなく完成予定の原宿クエストなど、年々新たな施設が加わる中でも、いつまでも変わらぬ姿を保ち続けるこのヴィンテージマンション。この空間は、そんな建物の、さらに贅沢なポジションに潜んでいた。

SPACE
この空間があるのは7F。海外の古いホテルを彷彿させる内廊下を抜け、玄関扉を開けると、そこには期待以上の気持ちのいい空間が現れた。
7F-8Fのメゾネット仕様で、表参道側、渋谷側の2方向に向いたこの区画。表参道側に面するLDの窓先には、枠いっぱいに欅の緑が広がり、風が吹けばその木々もゆさゆさと揺れ、とても穏やかで、居心地のいい時間・空気が流れている。階段を上がった8Fには、反対側の渋谷側へ向いた部屋が。こちらは南向きという事もあって、陽が良く入って明るく、窓先の眺望も気持ちよく抜け、爽快な気分にさせてくれるような空間だった。
室内はレジデンス仕様なので、大型キッチンやトイレ（謎に3カ所）、バスタブなども備わっている。働くのも、もちろん住むのもOKという作りだ。一方で、今では珍しいセントラル空調や管理室と繋がる黒電話、見たことないボタン式の窓鍵など、築60年というレトロな表情を発見できるのも、この空間のある種の面白みだった。

HOW TO USE
表参道のランドマーク的な建物で、欅の木々を望むナイスポジションに身を構えるこの区画。そんな誰もが羨み、誰にでも自慢したくなるような空間なのに、そんなことはお構いなしと言わんばかりに、のんびりとした雰囲気がこの空間のいいところ。ここでは、数人程度でのんびりと、好きなことに専念するような働き方が合うんじゃないかと思う。たとえば、少人数のクリエイティブ系の会社や、アーティストのアトリエ的な隠れ部屋。この窓先の風景を眺めながら、静かに、のんびりと、クリエイティブなことに専念する。室内も少し自分好みにアレンジを加えたり、好きな家具を置いて、窓面には外から見られる事も意識して彩りを加えても。そうやって、より自分にフィットした過ごしやすい空間に整えていただくと良いだろう。表参道にさりげなく潜み、身を隠しつつも、たまに迎え入れる来客にはこの空間、景色をしっかり印象づける。そんなスマし顔でドヤれるこの空間。ここほどのんびりと表参道を堪能しつつ、そしてドヤれるポジションは他にあるだろうか？

コープオリンピア沿いは、欅の木が数本程度と意外と少ない事にふと気がついた。そんな少なく、希少な欅の木を、目の前にガッツリ堪能できるこの区画。そのナイスポジション感もまたこの空間の面白さだろう。建物の管理組合の関係で、オフィス利用にあたって人数や契約形態の制限が加わりそうだが、その分、この建物やこのエリアに対して、リーズナブルな賃料設定も大きな魅力ではないだろうか。