千駄ヶ谷オフィス｜元学校1棟物件

LOCATION
渋谷区千駄ヶ谷。千駄ヶ谷住所においては、原宿の駅近くから、新宿駅近くまで範囲が広く、同じ千駄ヶ谷住所でもかなりその表情を変える面白さがある。この建物は、その千駄ヶ谷住所の王道とも言えるポジションに立っている。駅から真っ直ぐに続く、明治通りまでの通り沿い。シンプルな装いながら、色っぽい石垣の上に堂々と立っているこの建物を見つけることができる。

SPACE
元々は予備校から始まり、都市のデザインを掲げたデベロッパー、そして再び学校校舎とその用途は巡っている。外観の見た目とその建物遍歴だけみると、さほど期待感は抱けないかもしれないが、実際のところは、それを気持ち良いくらい裏切ってくれる魅力的な建物だ。
現状の室内は、デザイン感度の高いデベロッパーが利用していた際に、しっかりとそのポテンシャルを見出し、引き上げられ、最小限のアレンジでも他に類を見ない魅力を放つ。無骨さもありながら白く纏められた空間。ふんだんに設置された開口部から差し込む光は、3m以上の天井高を確保した空間をスケールアウトさせ、もはや圧巻とも感じさせる。地下には元図書室のゆったりとした空間、石垣を数段上がった1Fは以前軽飲食が運営されていたというポテンシャルも。そして何より、屋上が2段階に設置されているというスペシャルな仕様まで揃っている。このサイズの１棟物件としては珍しく、減点箇所が見当たらないほどの良物件だ。

HOW TO USE　
個人的には十数年前からこの建物の存在を知っていて、当時から考えても「学び」というキーワードから逸れることなく、しっかりとした軸が通っているようにも感じている。デベロッパーが利用していた時代さえも、その企業自体がチャレンジすることを果敢に続け、時代を切り開いていくような勢いを持ち、カフェを併設、屋上農園などなど、側から見ているだけでも、学ぶべき姿勢を伴った魅力的なオーラを放っていた。時代は変わり、価値観も、働くという意識さえも多様に変化してく中で、もし変わらないものがあるとしたら、人生における「学び」の意識かもしれないと時々感じる。学校においては何かを学ぶというのは当然だが、仕事においては、「働く」が前提。ただ、働く中でも「学ぶ」という意識は必要不可欠で、その部分は不変ということだ。
残念ながら、建物自体から教わることはあまり多くないかもしれないが、この建物の軸として通っている「学び」ということを意識し、入居し利用する人たち同士刺激しあい、人生にとって有意義な時間を過ごす場となれば、この建物にとっても本望だろう。

建物内には、学校の名残である黒板が所々に残っている。その存在だけでもユニークであるが、日々この建物の役割、ルーツを思い出させてくれるとても重要なアイテムのような気がした。