神宮前オフィス｜リニューアルビルのセミスケルトン空間

>>LOCATION
神宮前2丁目といえば、どことなく漂う独特の空気感を感じるエリア。それは、ある意味王道を避けて辿り着いたような、ちょっと躱した場所も影響しているかもしれない。そんな場所だからこそ、ここにしかないショップや飲食店など、唯一無二の存在感を感じるお店が多く、日々の発見が楽しみな場所でもある。そんなエリアの路地裏に新たにリニューアルをした、この建物を見つけた。

>>SPACE
今回1棟丸ごとリニューアルをし、サービスオフィスへと生まれ変わったこの建物。1Fだけは独立した様な店舗区画であるが、2Fは大きめサイズのオフィス区画、3Fには共用ラウンジと水回りを囲む様に、コンパクトサイズのオフィス区画が用意されている。そんなフロア構成の中、今回ご紹介の2F区画もなかなか魅力的な空間になっていた。
ベースは鉄骨の躯体表しのスケルトン天井と、モルタル床という無機質でクールな印象の空間。建物裏側に向いた等間隔の窓からは、柔らかい光が室内に漏れていて、どこか神聖さを感じる様な雰囲気を醸し出している。建物裏側は袋小路の路地ということで、それほど人通りのない住宅街ならではの穏やかさも感じられた。そんな風に、空間自体のスッキリとした印象の良さに加え、窓の先には緑が見えたり、路地の方向には開けていたりもする。1つ1つの魅力もさることながら、掛け合わさることで、それぞれの魅力が倍増して感じるような空間だった。

>>WORKSTYLE
窓が大きいことを嫌だと思う人は多くはないだろう。もちろん、使い方にもよるが、ほとんどの人にとっては、窓が少ないよりも、多い方が良いと感じるのは自明の理。この空間については、2方向に窓はあるが、この建物の1F区画の様に一面ガラス張りというわけではない。しかし、この空間に関していえば、それが絶妙に良いのだ。
低層フロアでオフィスとして利用する場合、窓が多く外に開かれすぎていると視線が気になるかもしれないし、隣接の建物からの圧迫感など落ち着かないケースが多い。この物件においては、偶然か計算されてかはわからないが、窓から入る光と窓の先の程よい抜け感もあり、仕事に没頭できる様なちょっと籠れる雰囲気。そんなある意味働く上での黄金比とも思える様なバランスを生み出しているこの空間。リラックス：集中のベストバランスで、ここで働く時間をさらに輝かせて頂きたい。

実はリニューアル自体は2回目というこの建物。1回目では、シェアオフィスとして通算で100社以上に利用されてきたという。そんなシェアオフィスが10年という節目をもって、今度はサービスオフィスへ。時代の流れに合わせて在り方を変えてフィットしていく柔軟性も重要だと思った。