代々木オフィス|内装居抜き1棟ビル
EDIT
>>LOCATION
原宿と新宿の間にある代々木駅。ファッションの要素もビジネスの要素も強すぎず、良い意味でミックスされた駅前のカオスな雰囲気は、好きな人も多いのではないだろうか。駅前には、大手チェーン店の看板を掲げる飲食店が多いが、その路地裏に一歩入り込むと、哀愁の漂うお店や、通好みの隠れた名店なども多く、意外な発見が楽しめるエリア。そんな代々木駅を背にして西参道方面へとしばらく道なりに進む。小田急線の線路の高架下を潜ってすぐ右手に折れたところに、影に隠れる様に立つ、主張の控えめなこの建物を見つけた。
>>SPACE
1Fが駐車場となったガラス張りの5F建の1棟ビル。ショーケースの様な煌びやかな印象ではないが、2Fから上がミラーガラスの様に周囲の建物や青空を反射する姿によって、このエリアにさりげなく溶け込んでいる様な建物だ。
その室内はというと、以前オーナーが外国人向けに日本語学校を始めようとしていた内装の居抜きの状態。フローリング調のシートの床は少々物足りなさがあるが、鉄骨の躯体が露わになった白い天井と空間を斜めに走る黒い天井というコントラストが印象的だ。全体のテイストとしては雰囲気良くまとまっていて、一面がガラス張りになっているため、自然な光を感じられる気持ち良さもある。プラン的にもエレベーターホールを介して、会議室とメインスペースへ入口が分かれていたりと、機能性もなかなか考えられている良空間だった。
そして意外にも特徴的だったのは、2F〜4Fまでは全く同じ間取りで全く同じの仕様というところ。エレベーターを降り間違えたかと思ったが、室内での印象は、同様に“イイね!”×3だった。
5Fだけは他のフロアと違い、コンパクトでシンプルな造りだが、窓の先にあるルーフバルコニーによって、室内にいてもなかなかの開放感。低層の建物が多いエリアのため、青い空と新宿の高層ビル群が眺められる。そんなちょっとした特別感も感じられるおまけならぬスペシャルなスペースも備わった物件だった。
>>HOW TO USE
この建物が面白いと思ったのは、あまりにも同じ仕様に各フロアが揃えられ過ぎているということ。スタンダードなオフィス仕様の空間が同じ建物内で連続するのは見慣れていたが、全く同じに作り込まれた空間が連続するのは、金太郎飴か!とツッコミを入れたくなる様な面白さがあった。
今回の募集は、小さいながらも1棟ビル。各フロア毎自由に空間をアレンジすることも可能。ただ、それでは費用が、、、という方には、フリーアドレスにしてフロアごとに勢いや“さくせん”で使い分けてみるのも面白い気がした。
すぐに外に飛び出していける低層2Fは「ガンガンいこうぜ」的な勢いのあるメンバーでわいわいと働く。3Fは間を取り持ちつつ、クリエイティブなバランスを必要とする「みんながんばれ」チーム、4Fはバックヤード機能も含め、じっくり、トコトン集中といった、会社を守る「いのちだいじに」チームなど。同じ内装でもテンションの違いで、そのフロアらしい働き方ができたら面白いだろう。もちろん、必要(さくせん)に応じて、内装や配置する家具(そうび)は、変えてみても良さそうだ。
働く上で同じオフィス空間での意志が統一されていると、相乗効果として仕事の成果だけでなく、働くスタッフのモチベーションアップにもつながるだろう。フロアごとに「さくせん」を明確にして、パーティ一丸となって、レベルを上げ仕事を攻略していって頂きたい。
もちろん、宿屋や酒場といった、HPを回復したり、情報共有ができるような最上階もうまく活用して気持ちよく!
EDITOR’S EYE
ドラクエをやったことのある人ならわかると思うが、作戦によって仲間の行動の方針が変わるもの。最近は一人一人に「さくせん」を設定できるので、チームに縛られず、今日は「ガンガンいこうぜ」でいきます!と自ら主張して、他のフロアで働くなんてことも面白いかも。