神宮前オフィス・店舗 | トレンドの裏の穏やかな空間
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>>LOCATION
明治神宮前駅徒歩5分、表参道駅徒歩7分と聞けば、誰もが彩られた華やかな街の姿をイメージするだろう。しかし、この建物の位置はそんなイメージを良くも悪くも裏切ってくれる場所にある。青山通りとキャットストリート界隈を結ぶ通称ネッコ坂。江戸時代から存在するなだらかなこの坂道は、表参道とほぼ平行に走る通りだが、表通りとは打って変わってローカルな息遣いを感じる裏通りである。今回紹介するまだ真新しさの残るこの建物は、そんなネッコ坂のキャットストリート寄りの1本折れた脇道にひっそりと立っていた。
>>SPACE
建物自体は、軒先の健やかなグリーンも相まって、遠目に見ると住宅街の一部に溶け込んでいる。とはいえ、築浅ということもあってか野暮ったさは微塵も感じない。天気の良い日であれば、海辺のサーフショップやコーヒーショップの建物のようにも見える程だ。
今回の募集はその建物の1、2F。室内はともにスケルトン仕様となるが、荒々しさがある空間には、有難いことに前入居者の比較的新しいエアコンが残されていた。
1Fは、建物正面の大きなガラス面、そして十分な高さが確保され白く塗装された天井ということもあり、思った以上に明るく健やかさを感じる空間。
2Fは、路面からの室内専用階段が用意されていて、壁一面擦りガラスの優しい光を受けつつアプローチ。階段と2Fスペースを区切る壁はなく空間が一体化しているので、このガラス壁からの彩光が空間全体に活きてくる。そして2Fは、1Fとは対照的に天井が黒く塗られていて、どこか固い印象のある空間だが、ゆったりとしたバルコニーに面する折戸式の開口部は全面開放可能。開けっ広げてしまえば、内外の一体感が生まれ、空間をより広く感じさせてくれるだろう。もちろん、1F同様に天井を白く塗り替えればさらなる明るさと、心地良さを手にすることも可能だ。
どちらのフロアもスケルトンだけに、少々手のかかる状態だが、外観の雰囲気、各フロアの気の良さは誰が見ても納得してしまような良空間だった。
>>HOW TO USE
初めて建物を訪れた際、どこからともなく街の人たちの話し声が聞こえてきた。親しい人たちの挨拶なのか、世間話なのか、そこにあったのは、表通りの賑やかな音とは明らかに違う空気感。表参道のDiorビルも微かに見えるような距離感にありながら、軒を連ねる建物や、聞こえてくる音は、気取らない街の体温が感じられるという心地良さがここにはあった。決して眺望が良いとか、抜けがあるといった環境ではないが、この街の体温を感じ取れるような場所なので、折角ならその環境を活かすように働いてみてほしい。
1Fならば、大きな開口部から人々が行き交う日常を楽しみ、2Fであれば、晴れた日に開口部を全開にして気持ち良さを感じながら。本音を言えば、欲張って1F2Fセットで借りてしまうのはかなりおすすめ。間違いなくセットで借りた方がこの2つの空間のパフォーマンスを最大限引き出せることだろう。
しっとりとした穏やかさがあるここは、表参道近くで、キャットストリートすぐそばの神宮前住所。ちょっと耳を澄ませば、最新のトレンドすら聞こえてくるような立地でありながら、気取らずマイペースに過ごせるという”絶妙さ”を持ち合わせた物件は、なかなか見つけらないのではないだろうか。
EDITOR’S EYE
お隣にはこれまたステキな存在感ある建物が佇んでいる。以前はこの界隈でも人気の飲食店だったのだが、どうやらパリコレにも出ている日本のブランドのショールームが出来るとか。彼らもまた、この独特の街の温度感に魅せられてここにやってきたのだろうと思った。