西麻布オフィス|柔らかく暖かいSOHOオフィス
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>>LOCATION
青山の骨董通りを抜け、高木町の信号手前を長谷寺方面へ。この辺りは、南青山と西麻布アドレスの入り混じる穏やかな住宅エリアであるが、実はそこかしこに事務所が点在する、ちょっと個性的なエリア。近隣で時々事務所物件の募集もあるが、若干のアクセスの懸念があるからかコスト感もグッと抑えられ、穴場感があるものも多かったりする。長谷寺からすぐにある、雰囲気のある出版社事務所脇を曲がり、さらに奥の奥に入った場所にある今回の建物。行き止まりの路地手前という、街並み深く目立たない位置にありながら、中々愛らしい雰囲気を漂わせていた。
>>SPACE
外部のサッシ、独特の形状のサインポール、外壁の色味などから、とてもチャーミングな第一印象を感じるこの建物。木造のためか、若干軋みを感じるレトロな階段を登り2F区画へ入ると、原状回復前ではあるが、それぞれ表情と色合いの異なる3つの空間があった。
メインとなる区画は、床を淡い色味とし、“緑”の壁面が印象的なスペース。前入居者は退去しており人の気配はしないが、暖かみのある日差しが室内を包みこみ、寒々しい印象は皆無。すぐにでも誰かが出勤してきそうな、人の温もりの余韻の様なものさえ感じられた。
お隣の“水色”の区画はコンパクトな会議室仕様、さらにその奥には縦に長い“紫”の空間。こちらの2区画に関しては、前面の建物の影響もあってか、やや落ち着いた光のしっとり感。各区画で明るさの具合が変わるため印象は大きく異なるが、陽の光もふんだんに入り安らぎすら感じさせる緑は執務エリア、冷静さを感じさせる“水色”は会議スペース、品のある紫は経理や経営部門など、カラーに合わせた各スペースの使用もイメージしやすく、中々良い空間と色の組み合わせだと感心させられてしまった。
>>HOW TO USE
表参道までは徒歩10分の立地であるが、西麻布住所であるからこその坪単価13,000円以下。周辺の静かな環境も相まって、魅力的な条件であることは間違い無いだろう。
木造の建物の特性もあるからだろうか、この空間を一言で表せば「柔らかい」に尽きる。壁面のカラーや床の仕上げについては好みもあるだろうが、パステル調の薄い色味なのでそこまでくどい印象はない。このまま前入居者の温もりを引き継ぐのも良いだろうが、モノトーンに仕上げ直したとして少しキリッとさせたとしても、どこか温かみのあるこの空間の雰囲気は、決してなくなりはしないだろう。
流行りのデザインオフィスの様なイケイケ感はないが、室内にいることが安らぎを感じさせてくれるこの空間。デザインやクリエイティブをメインとする企業や、温もりや柔和さを感じさせる様な商材を扱う企業の個性にはなんともハマりそうではないか。建物や空間のカラーと企業のカラーがうまくマッチすれば、ここからどんな新しい色が生まれるか。そんな部分も存分に楽しみながら働いてみてほしい。
EDITOR’S EYE
以前の入居者は比較的ニュートラルな状態で使っており、味気なくも建物のレトロ感がいいスパイスになっていて、それはそれで悪くなかった様だ。木造のため、足音などが若干下階に伝わる感じは受けたので、利用においては少々配慮が必要。現入居者によると、近隣にはちょっとしたカフェもあり、少し歩けばコンビニがあったりと、ランチに関してもそこまで大きな心配はないとのことだ。
ちなみに、まだ詳細は未定だが、貸主の方で原状回復についての打ち合わせも進めており、現内装の引き継ぎを希望する場合は、早めの相談が必要だ。