神宮前オフィス|安らぎ感じる名ヴィンテージ
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>>LOCATION
明治通り沿いの原宿警察前を折れ、アパレルのコアエリアというイメージのある神宮前2丁目方向へ。アローズ跡地の工事囲いあたりを過ぎたあたりに見えてくる今回の募集物件は、このエリアのアイコン的存在、「Villa Gloria」。低層に飲食店が入居することもあり、ランチ時になれば、近隣のファッショニスタ達が中華料理店に吸い込まれて行くという飾らない雰囲気もまた、この周辺の魅力の1つだろう。
>>SPACE
長く利用した前入居者の退去後間もない状態のため、室内はそれなりの使用感や傷みが散見されるが、それ以上の圧倒的心地良さは、第一印象から終始変わらなかった。
30坪ほどの空間は、床と天井を白とし、窓の多い明るい爽やかなスペース。水回りと小ぶりな倉庫が2つあるが、きちんと廊下で隔てられているせいか、妙にスッキリとした印象だ。さらにこの区画は、外観のアクセントにもなっている出っ張りの部分が正面にあり、ワイドな窓からサンルームの様に空間に光を導いていた。
経年なりに少し動きの重いサッシを開け放てば、室内を爽やかな風が抜けていき、春先秋口のベストシーズンは、空調もいらないのではと思える気持ちよさ。そして、テラスに出れば植栽があり、視線の先は気持ち良い空と、気付けばほっと一息ついて窓際に腰かけたくなる、そんな空間だった。
>>HOW TO USE
フローリングの割れや色の剥がれもある現状だが、原状回復は次の入居者決定次第行われるので安心して欲しい。建築家設計のヴィンテージマンションだけに、特徴的なエントランスに味のある玄関ドアなどの設えは美しさすら感じるし、息抜きにはもってこいのテラスに、穏やかな風の抜ける室内は何とも言えない心地よさがある。ビラシリーズと呼ばれる建物としての価値はもちろんだが、古くから続く緩やかで優しい空気感をそのまま感じさせてくれるのもまた、この建物が多くの人に愛される所以なのだろう。緑を運び入れ、窓際に置いたロッキングチェアでゆらゆらのんびりする時間を想像してみると、働く時間の貴重な休息の一コマとして、掛け替えのない安らぎとなりそうだ。
成長を追い求め全力で走り続ける日々が続くと、ちょっと息切れを感じるタイミングもあるだろう。そんな時は、オフィスでありながら一息つかせてくれる様な安心感のあるこの空間で、一休みしながら次の展開を練ってみるのも悪くなく思えた。
EDITOR’S EYE
前回募集の区画も、複数の入居希望者重複で、早々に決まってしまったらしい。天気のいいこの時期に室内入れば、きっと心地よい体験ができるだろう。
念のためお伝えするが、今回も足は早そうだ。