神宮前オフィス｜コスパ良クリーン&シンプル空間

>>LOCATION
明治通りの原宿警察署を右手に折れたあたりからスタートする神宮前2丁目エリア。一歩路地へと入れば住宅街として穏やかな雰囲気を持ちながらも、拘り強めのショップや飲食店も点在し、玄人好みな印象が色濃く感じられるエリアだ。
そんなエリアを縦断する渋谷神宮前郵便局の前を走る通りに、このエリアの生活感を剥き出しにしたスーパーマーケットが1Fに店舗を構える建物を見つけた。

>>SPACE
建物としては、石張りの外観に、地下からの吹抜けが空まで抜けていたりと、意匠はかなり凝っているものの、1Fのスーパーのインパクトはなかなか強め。折角のこだわりを打ち消してしまっている感は否めないが、食生活やちょっとした日用品の買い出しには困らないという要素をどれだけプラスに思えるかによって、この建物の評価は大きく変わるだろう。
募集区画の3Fの室内はというと、壁・天井は白塗装でシンプル且つクリーン。天井には梁も無く、照明も空調も埋め込まれ、全てがフラットな状態となっているため、かなりスッキリとしていてどこかしら美しさを感じる空間になっていた。そんなシンプル空間を一歩引き上げて見せてくれているのが、この床の存在感だ。真っ白な空間の中で、敢えて床のみ、タイルカーペットを剥がしたままの糊の残る状態からクリア塗装を施し、無骨な男らしさもブレンドされていた。建物の前後には一面の開口部を要し、やんわりと入り込む光の加減もなんだか心地良く、外観の印象の評価は分かれると思うが、総合的な印象はかなり良い空間だった。

>>HOW TO CHOICE
空間はクリーンで美しく、かなり良い。しかしながら、空間の評価が高まれば高まるほど、建物を見た時のスーパーな第一印象がずっとついて回るのも間違いはないだろう。とは言っても、あのスーパーなインパクトがあれば、逆に目印として来客の際には説明しやすいかもしれない。でも、オフィスの第一印象がスーパーな庶民派な感じでいいのだろうか。しかし、空間自体は現状でも合格ラインのクオリティは超えていて、ここからの作り込みではさらに良くなるであろうことも想像に容易い。。。そんなやりとりを頭の中で繰り広げていた結果、この空間がより魅力的に感じられるのは、庶民派な1Fからのギャップからだとか、いつでも買い物できる便利さがある！と少し空間贔屓なジャッジが多くなってきて、ネガティブ先行だったそのスーパーの存在もなんとなくアリに感じてこないだろうか。
頭の中で行ったり来たりを繰り返してきたいわばスペースとスーパーのシーソーゲーム。仕事においてもネガティブとポジティブの間で揺れた時には、ちょっと1Fのスーパーで買い物して一息ついて落ち着いてみる。いつでもそこにあるスーパーな安心感を感じられるような気がした。

駅からの距離は少々否めないが、そんなこともあってか坪単価は16,000円(税抜)とリーズナブル。近くには通な飲食店もたくさんあるので、一度ハマるとなかなか抜け出せないエリアとも言えそうだ。