青葉台オフィス｜路面の居抜き空間

>>LOCATION
代官山の駅近くから走る旧山手通り。その名前を聞くだけでも、どこか洒落たイメージを抱く人も少なくないだろう。神泉の方まで続く道沿いは、ふんだんな街路樹が彩り、旧道の割にゆったりとした道幅は、視界の1/3を空にしてくれる。季節の良い晴れた日はその気持ちよさから、距離を気にせず歩きたい。そんな風に思ってしまうのは自分だけではないだろう。この建物は、そんな洒落た気持ちの良い旧山手通り沿いでもなかなかの存在感。経年を感じさせず、しっかりとした自分を持っているかのようなレンガ調の外壁でどっしりと構えていた。

>>SPACE
募集区画は、1Fの路面区画。道路から空間への直接動線はないため、店舗というよりは、ショールーム兼オフィスといった用途がしっくりくる。今回の募集は、まさにそんな利用方法で、建物完成当初から約30年もの間この空間を利用してきたインテリアデザイン会社の居抜きという条件だ。
約60坪の空間は、中央部分でショールームとオフィスで縦に仕切られているが、旧山手通り沿いへの開口部がかなり大きく広がっており、2,700mm程度ある天井高も相まって、半分のスペースでもかなりゆったりと感じる。そして、現在はハイセンスなインテリアが、空間の印象をぐっと大人っぽく仕上げているが、それらがなくなったとしても、空間の素地となる床や、壁面には、質感のあるタイルや左官などが施されているので、表情の豊かさと空間の面白さを感じることができるだろう。
仕切られた反対側（裏側？）にあるオフィススペースは、表側より大人しさを感じるものの、これはこれでかなり居心地が良い空間。1Fという目線が故に、直接の日当たりは見込めずとも、窓先に余裕があるため採光は十分。街路樹や行き交う車が空間を引き立てるショールーム側とは異なり、プライベート感満載な雰囲気は対照的で、その2つの印象をあわせ持つ空間はとても魅力的に感じた。

>>HOW TO USE
旧山手通りに面する開口部にはショーケースとなるガラス張りの空間があったり、現在、ショールームとして使われているスペースの他にも打合せスペースとして活用できる個室も完備されているので、その機能性も多彩で十分期待に応えられる。そして、静かな時間の流れを感じるオフィススペースも、壁面に使われている多くの木の素材が柔らかさを感じさせてくれて、業務に集中するにはかなり良い雰囲気だ。現在のプランはオフィスとしては一般的ではないかもしれないが、実は機能的で汎用性もあり、次の入居者の遊び心も満たしてくれることだろう。
建築当初から入居していた割には、室内はかなり綺麗な状態が保たれている。聞けば数年に一回は改修などを行い、時代に合わせ空間を進化させてきたという。そんな丁寧に使われてきたこの空間をリセットするには惜しすぎる。引き継げるタイムリミットまでわずかしかないが、我こそはという方は是非一度見てみていただきたい。

詳細な引渡し状況はご相談だが、現状ある家具は全てなくなるので、ご容赦いただきたい。室内と通りの間にあるガラス張りのショーケースは、賃貸面積には含まれていない為、原則有償での利用契約が必要とのことだが、外部からの顔になる部分でもあるので、利用して損するものではないはずだ。