渋谷オフィス | 渋谷川沿い1棟リノベーション済みビル
EDIT
LOCATION
再開発で賑わう渋谷駅の喧騒を背に、渋谷リバーストリート沿いを恵比寿方向へと進む。2018年に渋谷ストリームと共に整備されたこの渋谷川沿いのストリート。人の流れは穏やかで、道中には小洒落たレストランやカフェ、昼時にはキッチンカーもポツポツと並んでいて、のんびりとした雰囲気がなかなか居心地いい。そんな道をゆっくり進むこと数分。並木橋の交差点の少し手前に、見慣れないこの建物が姿を現した。
SPACE
かつて公共施設として使われていた建物を、2025年に一棟まるごとリノベーション。以前の閉ざされた印象から一転、ファサードの大部分をガラスで覆い、明るくいい表情をした建物へと生まれ変わった。
募集区画はその3Fと4F。いずれもワンフロア、大小2区画に分かれていて、大きな区画は約120㎡。床・壁・天井をそぎ落としたスケルトン仕様で、無骨なインダストリアル感に包まれながら、オフィスとは思えないほど存在感のあるオープンキッチンがとても印象的だ。一方の小さな区画は30㎡ほどとコンパクトながら、リバーサイドに面した大きな窓がとても開放的な作り。実はこのスペース、過去に増築された部分で、かつての余韻を残すように外壁タイルが当時のまま残されているのがまた面白い。3Fの大区画には広めの専用バルコニー、4Fにはその上にある専用の屋上付き。どちらも30㎡前後と十分なサイズ感で、まるで外にもう一つ部屋が付いているような、ちょっと得した気分にも。どう内外を使い分けるか。そんな想像を多方面に膨らませてくれるような空間だった。
WORKSTYLE
空間だけでも十分個性的だが、この物件の魅力はこれだけではない。1Fには今後カフェやレストラン、バーなどが入る予定で、街に開かれたパブリックな空気が広がっていく。2Fは複数に小さく区切られたオフィスエリアで、共用キッチンやフリースペースも用意されている。屋上の一部も共有スペースとして利用者に開放されていたりと、建物の中に働く人たちが自然と交わる“場”が散りばめられている。
そもそもオフィス自体も、「ザ・オフィス感」はない。むしろオープンキッチンが空間の主役のように、社内はもちろん、来客もウェルカムな雰囲気で、キッチンを囲んで語り合ったり、時にはバルコニーで風を感じ、屋上で企画を練ったり。たまにはちょっと下で飲んで行こうなんて日もあるだろう。夜の打ち合わせは1Fでと言わんばかりに。そんな一つの建物の中に、多様性、公共性が、さらりと詰まっているところが面白い。かつては公共建築と言いつつも、とてもクローズな建物だった。それが今は、建物の中、周辺の環境にも程よく開かれたパブリックの場に。“公共”を再定義するように、静かに開かれていくそのストーリーがとても興味深く、さらに空間の魅力を引き立ていると感じた。
EDITOR’S EYE
タイミング次第では、大小複数の部屋をセット借りも可能。たとえば120㎡のフロアをベースに、会議室やプロジェクトルーム、なんなら社長室などにも。そうやって小部屋をセットで借りることで、内装造作などもうまく削減ができ、柔軟な使い分けができるのは大きい強みではないか。