恵比寿オフィス|直接動線のあるB1Fレジデンス空間
EDIT
LOCATION
場所は恵比寿。恵比寿と言っても、繁華街のある西口やオフィスビルの多い東口とはまた少々違う場所。明治通りを渡って、駒沢通りを青山方面へと緩やかな続く坂道を登っていくとある恵比寿の高級住宅街。途中には恵比寿プライムスクエアが聳え立ち、その周囲には「arflex」や、人気のコーヒーショップ「VERVE COFFEE ROASTERS」があったりと、チラホラ雰囲気の良いお店も点在している。そんなプライムスクエアを越えて、歩道橋のある交差点を折れたところ。比較的新しめなこのマンションが立っていた。
SPACE
2020年に竣工したまだ築浅のマンションタイプの建物。1Fにクリニックが入っている以外、上階は全て住宅仕様ということもあって、撮影に伺った平日の昼間はかなり静かな印象だった。今回募集のB1Fは、道路面から直接動線兼ドライエリアも備えた、住宅としては少々変わった造りの区画。実は、事務所やサービス店舗、軽飲食店舗まで相談可能ということもあって、来客にも対応可能な専用の入口を設けているのだ。
しかしながら、室内の仕様は完全なる住宅仕様。しっかりとしたシステムキッチンに、コンパクトながらもバスルームがあったり、洗濯機置き場も隠されている。そんなTHE レジデンス仕様ではあるものの、一部3m弱と天井は高く、床は全面パーケットフローリング、そしてバイオエタノールの暖炉もあったりする少々特別感のある内装が、高級住宅街である恵比寿らしさをしっかり感じさせてくれる。地下ならではのしっとりとした雰囲気もあって、自分のペースでゆったりと仕事に取り組めそうな、心地の良い空間だった。
WORKSTYLE
この空間を訪れた時、なんだか妙に落ち着く印象を感じた。その感覚を徐々に紐解いていったところ、地下にあって静かな雰囲気、落ち着いた明るさの室内、寄せ木の様なパーケットフローリングの木の質感などなど。住宅仕様というデフォルトの心地良さだけでなく、プラスαの心地良い要素が散りばめられていることも要因なのだと思った。極め付けは暖炉の存在。実際に、着火はしていないが、暗がりに火のゆらめきを想像し、何だか山小屋を訪れた様なイメージが頭の中にあった。登山者の安全を確保したり、目的地に向けて休息する場として存在している山小屋。この空間で働くなら、そんな山小屋の様に安心感を感じながら働ける場所になる気がした。より山小屋感を演出するため、木の質感を感じられる家具や壁面に装飾を施して、ウッディな空間にするのも良いが、ここは恵比寿。ガッツリ山小屋という雰囲気よりも、今の現状を活かしつつ、洗練された山小屋風空間を目指すくらいがちょうど良いだろう。
奇しくも、恵比寿から青山方面へ向かって登って行く途中にあるこの空間。心地良さと安心感を感じながら働き、より高い山々を目指してみてはいかがだろうか。
EDITOR’S EYE
炎のゆらめきなどに見られる「1/fゆらぎ」という、一定の様でいて、わずかに変化する不規則性を帯びているリズムには心地良さやリラックス効果があるとされている。心地良い空間でさらにリラックスしたいという時には、照明を落とし、暖炉を灯して炎のゆらめきに浸ってみて頂きたい。