代官山オフィス|スタバ隣接ヒルサイドテラス
EDIT
>>LOCATION
代官山を象徴する場所といえば、代官山T-SITE。その周辺にあるヒルサイドテラスは、第一期の設計が始まった1967年に旧山手通り沿いに誕生して以来、およそ30年をかけてショップ、オフィスや住宅だけでなく、ホールなども合わせ、複合的な施設を有し、ある種一つの街を形成している。旧山手通り沿いは、道路沿いのケヤキ並木に合わせて高さを抑え、緑や空を感じられる心地良い場所。そんな中、スターバックスコーヒーのテラス席に隣接する様に立つ、この建物を見つけた。
>>SPACE
世界的に著名な建築家である槇文彦氏によって設計されたヒルサイドテラス。今回募集の2F区画は、レジデンスタイプの間取りの空間。バスルームやキッチンなどもまだ残された空間ではあるものの、床や天井はスケルトンベースに整えられていて、パッと見ただけでも雰囲気はかなり良い。室内は、一部間仕切りやシステム収納などが備わっている個性的な仕様のため、レイアウトの工夫や使い方によって多少のテコ入れは必要だが、ベースの空間のポテンシャルは充分だろう。道路側の窓先には、T-SITEのスタバのテラス席が目の前に見えていて、リラックスした良い時間の流れを見て取れる。そして、中庭側の窓の先には木々の緑が優しく、室内に入り込む穏やかな木洩れ陽が心地良い。室内のどこにいてもこの建物周辺の環境の良さを存分に体感でき、空間の良さ×環境の良さをまじまじと感じられる良質な空間だった。
>>WORKSTYLE
代官山という街は、ヒルサイドテラスやT-SITEを中心に、穏やかでリラックスした街並みと空気感を作り出している。そんな中にあるこの空間は、室内のベースや窓先の心地良さは折り紙付き。さらに使い勝手や居心地を良くするため、家具などに拘るのはもちろんのこと、現在備わっているシステム収納も取っ払って、広々と空間を利用してみたい。そんな風に居心地を高めたとしても、この空間だけに籠るのがこのエリアの働き方では無い気がした。朝はお隣のスタバのテラス席を利用してMTGを行ったり、煮詰まった時にアイディアを探しにTSUTAYAに行く。施設内に限らず、駅前の代官山アドレスやフォレストゲート、桜の綺麗な西郷山公園など、ちょっと足を伸ばせば、魅力的な場所はさらに広がっている。代官山エリアの各所で行われるイベントにアンテナを張りつつ、興味のあるものに参加していくことで、地域の気の合う仲間と知り合うきっかけにもなることだろう。
そんな風にこの空間で働きながら、代官山という街ごと楽しむ。街に気心知れた仲間が一人二人と増えていき、空間の居心地の良さだけでなく、街自体の居心地が良くてここから離れられなくなってしまう気がした。
EDITOR’S EYE
ヒルサイドテラスで行われる猿楽祭や、T-SITEの代官山蚤の市などの大きなイベントの他、毎週の様にどこかしらで展示なども行われている。そんな風にイベントで人が増えても、この穏やかな空気感が変わらないところも、このエリアが居心地の良い理由の一つに思えた。