祐天寺SOHO|元住居 セットアップオフィス空間
EDIT
>>LOCATION
場所は祐天寺。4つの商店街が存在し、老舗店舗だけでなく、個性ある古着屋や飲食店がバランスよく立ち並ぶ。渋谷駅までも東横線で6分という立地でありながら、街並みはどこか懐かしさやアットホームな雰囲気を感じられる。そんな祐天寺駅東口の商店街を抜け、シンと静まりかえる住宅街を奥へ奥へと突き進み、駒沢通りにぶつかる少し手前辺り。ガラスとコンクリートで出来た箱型のスタイリッシュなこの建物を見つけた。
>>SPACE
募集は、住空間からセットアップオフィスへ類のない変貌を遂げたばかりの1F-B1Fのメゾネット。2方向窓の気持ちがいい1Fは、玄関すぐに商談スペースとキッチン横にリフレッシュスペースの無駄ないレイアウト。螺旋階段を下った先は、4人掛けのワークデスクが設けられ、ドライエリアから差した光と程よい籠り感の中、メンバーと連携を取りながら効率よく働くことができそうだった。そして、一番面白いと思えるのは、テラスを渡らないと行けない個室。一度外に出るという行為は、言わば“離れ”のようにも思えた。だからここではあえて“離れ“と呼ばせて頂くが、この離れは超がつくほど静かで、仕事を捗らせるには効果的と思える。
元住居ともあり不安はあったが、間取りの特性を活かしつつ適切に用途が振り分けられていることから、これはこれでありだと感心させられる空間だった。
>>WORKSTYLE
セットアップオフィスは、その需要が高いオフィスエリアに設けられるのが一般的だ。だが、そんな様子を感じない祐天寺の集合住宅に設けられたからユニーク。それでも、多くの企業が集まる渋谷と絶妙な距離感で、物件自体に備わる特性とゾーニングがハマっているから十分成立している。個人的にバッチリとハマっていると思えたのは、やはり“離れ”。ワークスペースからの距離も程よく、一度外に出るという一手間が、ある種“スーパーオンモード”へのスイッチにもなると思う。誰にも邪魔されない環境の中、集中して仕事をこなし、終わればすぐに外に出て体と心をほぐすといったシーンが想像できる。
渋谷や中目黒など、賑わう街からあえて離れて、おしゃれに自分らしく働く環境を整えたようなこの物件。ゆったりとマイペースに働くスタイルかと思いきや、それだけでは終わらずパフォーマンスの追求もできる“離れ”という存在により、そこら辺のセットアップオフィスよりワクワクさせられてしまうのは自分だけではないはずだ。
EDITOR’S EYE
建物は過去にグッドデザイン賞を受賞した集合住宅。敷地内には3つ棟が配置され、室内の窓からは、別の棟の入居者の気配が感じられる。気にはならない程度だが、住居として使われていたときは、離れは大事なプライベート空間だったに違いない。