代官山オフィス・店舗 | 居抜き募集空間
EDIT
>>LOCATION
東横線に沿うように、代官山駅から渋谷方向に続くキャッスルストリート。まるで王様でも住んでいそうな名前の通りだが、ロードサイドには小さくも個性的なショップや飲食店などが点在し、通りに並行して伸びるログロード代官山なども人気だ。そんな通りの中央にある交差点。その数件ほど手前に、この建物は立っていた。
>>SPACE
2018年築の、比較的新しめな商業ビル。今回ご紹介するのは、この2FとB2Fの2区画で、どちらも前の入居者が作り込んだ空間がそのまま残されている。
まずはビルの最上階にあたる2F部分。こちらはキッチンスタジオの居抜きで、中央に置かれたコンパクトなキッチンカウンターや、道路側の窓面に造作されたテラスのような茶の間、そしてその先に眺める街路樹の緑がいい絵として映えている。また、そんな静かなシーンとは対照的に、反対側の窓先には、東横線が数分ごとに走り抜けていく躍動的なシーンも。正直、それなりに電車の音は感じるものの、その静と動のような2面のシーンは、この空間の個性であり面白みと感じた。
かたやB2Fは、フィットネススタジオの居抜き。片面に張り巡らされたミラーがいかにもという内装で、外との繋がりは一切遮断し、まさに籠ってトレーニングに専念する、精神と時の部屋のようなスペースだ。どちらも空間としてもまとまっていて、このまま有難く使わせて頂けそうな面白みある空間が残されていた。
>>WORKSTYLE
いずれもスタジオの居抜きなので、このままハマる人にはハマるし、比較的汎用性のある空間でもあるので、この空間をベースに手を加え、オリジナルに作り替えるのもアリだと思う。この2つのスペースは、元々のキャラクターも異なり、2Fは人を招いたりするような明るい性格の空間。かたやB2Fは、どちらかというと職人寄りというか、篭り部屋という感じだろうか。フロア単体での利用もいいし、例えばオフィス×プライベートフィットネス。スタジオ×ギャラリーのように、それぞれの性格の個性をうまく掛け合わせていくなど、使い方の組み合わせは様々考えられそうで、交わることで想像の幅も広がっていきそうだ。
同時に2区画の、それもそれぞれキャラクターの異なる居抜きでの募集を行なっているこの建物。個人的には、いいものを後世へ引き継いでいくというこの建物スタンスも好きだ。できればただ居抜きという旨味だけではなく、そんなスタンスに共感していただける方に、是非この空間を引き継いで頂きたいと思う。そしてまたいつか、次の方にバトンを繋いでいくような、そんなストーリーがいつまでも続いていくようだと素敵だ。
EDITOR’S EYE
撮影スタジオとフィットネススタジオ。そんな今人気の業態の居抜きが1つの建物で2度楽しめる今の募集は魅力的だ。正直、賃料は決してお得とは言えない面はある。むしろ強気。ただ、代官山駅からほど近い立地や、この造作が残されていることなどを考えれば、総合的に乗り越えられるだけの旨味は十分あるのではないだろうか。