西麻布ビル|眺望良好 デザイン1棟ビル
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>>LOCATION
六本木通りと首都高、そして外苑西通りが交錯する西麻布交差点。どの通りも交通量が多く、周辺は人よりも車で賑わっているような印象を受ける。しかし、そんな2つの通り沿いから少し折れたところは、意外にも穏やかな住宅街。通り沿いの大型ビルが防波堤の様に音を遮ってくれているためか、嘘のように長閑な印象というギャップも面白い。そんな細路地にありながらも、上から下までガラスに身を包み、ある種の西麻布らしさを感じる、キラキラと輝くショーケースの様な出で立ちのビルを見つけた。
>>SPACE
募集は6F建の1棟ビル。各フロアはコンパクトではあるが、その室内はなかなか見ごたえのある空間だった。駐車場とちょっとしたギャラリーの様なスペースのある1F、そこから上は、内装を白で統一し、南側に向いた道路面は2Fから6Fまで全てガラス張りになっている。まず手始めにとでもいう様に、2F区画はいきなり4m級の天高を見せつけ、窓際に中2F的なスペースまであるインパクト大の空間。低層階ながら陽当たりの良い室内は、その真っ白な内装と素地の良いコンクリートの質感も合わさって、爽やかでありつつ、シュッとした印象で好感度は非常に高い。続いて、大々的なキッチン設備を設け、窓側が吹き抜けとなった気持ちの良さを極めた様な4F、広々とした青い空と、六本木ヒルズまでもがすぐ近くに感じられる最上階のルーフバルコニーなど、階数が上がるごとに楽しませてくれる空間構成に合わせ、視界は近隣の建物から抜けてくる。
空間のベースは白ということもあり、上層階へと上がるほど明るさはどんどん増していき、気持ちいい景色と眩しいくらいの日差しを浴びて健やかに過ごせる、そんな物件であった。
>>WORKSTYLE
フロアごとがコンパクトで特徴的なため、その使いこなし方には工夫が必要かもしれない。ただ、雰囲気のある階段&エレベータースペースで繋がる各フロアは好感度がかなり高いので、その工夫次第で、働く人も、訪れる人も楽しませられるポテンシャルは十分だ。
フロアごとの機能的な違いもあるため、それをうまく活用してみるといいだろう。贅沢過ぎるほどの充実したキッチン設備は、オープンに設置されているため、BARやラウンジの様に仕上げれば、仕事時間だけではない活用方法も想像しやすい。また、それぞれのフロアはこれ以上に分ける必要がないため、壁はつくらず開放感をキープできれば、自然と天高を活かした気持ちいいオフィスになるはずだ。そして、最上階のテラスとバスルームは、余分な機能と諦めず、根を詰めて働いた時の避難場所やご褒美フロアとしてその機能を活用して欲しい。
機能的で、健やかさと居心地の良い建物が自分たちのオフィス。スタッフにとっては、安心して攻めることも守ることもができる拠点になりそうだと思った。
EDITOR’S EYE
西麻布と聞くと、どこか夜のディープな街の雰囲気をイメージしてしまう人も少なくないだろう。今はまだ、遅くまで営業しているお店は僅かかもしれないが、この世の中の状況が落ち着き、再び夜の街として賑わう時が来たら、また楽しみも一つ増えていくのではないだろうか。昼間は健やかすぎる空間で働きながら、来たるその時に備えておいて頂ければと思う。