表参道オフィス|元深澤直人氏オフィス 天高5m空間
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>>LOCATION
表参道から真っ直ぐに伸びるみゆき通り。表参道に近い位置にはハイブランドのショップが多く、華やかで個性溢れる雰囲気が感じられ、どこか歩みを進める人々も背筋が伸びた印象がある。そこから進んでいく程に、徐々に落ち着いた雰囲気へと様変わりし、青南小学校から聞こえてくる健やかな子供たちの声も相まって、ゆったりと穏やかな空気感が流れていた。そんな場所にあったのは、この辺りでは言わずと知れたヴィンテージビル。厳格な赤褐色のレンガに身を包んだこの建物の一室をご紹介する。
>>SPACE
無造作に積み上げられた箱の様なこの建物は、山下和正建築研究所の設計によるこのエリアでも有数の名建築。中心に吹抜けを設け、スキップフロアの様に複雑に入り組んだ共用部を通り、募集区画の301号室へ。室内に入るといきなり目の前に広がるのは、見惚れるほどの天井高5mを超える吹抜けのメゾネット空間だった。真っ黒な床に白い壁、それだけなのに、なぜか洗練された印象に感じるのは、やはりこの天高のおかげなのだろう。それに加えて、南側の窓から差し込む穏やかな光があって、明るさも充分だし、ゆったりとしたルーフバルコニーが併設されているので、すぐにでもテーブルと植物をいっぱいに設置して、寛げるテラスに仕上げたい気持ちになる。せかせかしない周辺の環境と併せて、この空間での居心地の良さや満足感はすでに保証されている様に感じられた。
重厚感のある建物と、しっとりとした共用部のアプローチ、そして、光も抜けも心地良いという、リアルな空間の魅力も充分過ぎるほど感じられる良物件だった。
>>WORKSTYLE
この空間では、穏やかな周囲の環境や表参道エリアの名建築に拠点を構えるというステータス感も感じられ、それだけでも働く上での満足感を感じられるのは間違いない。そんな中にあってこの区画は、実は日本を代表するプロダクトデザイナーである深澤直人氏が利用していた空間。建物自体も、積み重ねられてきた価値によって魅力が深まり、入居希望者の絶えない一目置かれた存在ではあるが、深澤氏がデザインした内装をそのまま残したこの空間に関しては少々特別。じっくりと経年の味わいを深めている他のオフィス区画に対して、この空間だけが、深澤直人氏という入居者によって魅力が加速し、頭一つ抜きん出た様にさえ感じられた。
メゾネット空間の構成上、レイアウトなどで少々利用方法に難色を示す人もいるかもしれない。しかし、出会いによって空間や建物を気に入ってしまったら、いかにイマジネーションを膨らませて、自分たちがその空間の利用方法に合わせていけるかを考えるべきなのではないだろうか。
この場所から、この空間から、そして、前入居者から。この区画を選ぶことで、様々なfromを介して得られる充実した働き方を追求し、さらなる加速を手にしてみて頂きたい。
EDITOR’S EYE
室内には充実したキッチンが備わっているが、今後ガスコンロとオーブンが撤去され、室内でのガス利用ができなくなるそうだ。代わりに電気温水器が設置され、お湯は利用ができるとのことなので、手洗いうがいも惜しみなく行って頂きたい。