南青山オフィス | 大型バルコニー付きリノベーション空間
EDIT
>>LOCATION
南青山にある骨董通り。通りに沿ってショップやカフェが並び、車通りも多いために、青山エリアの中ではかなり賑やかなイメージがある通りだ。最近ではいくつか新しいビルも出来て、少しずつ街並みも変化しつつあるこの通りだが、古くからこの並びにある建物も負けてはいない。近年では部屋ごとにリニューアルによって生まれ変わるケースが増えてきて、今回もそんな建物の一つ。ちょうど骨董通りの中腹あたりにある大型マンションタイプだが、その一室がとても雰囲気良く生まれ変わっていた。
>>SPACE
暖色めのマンションらしいエントランスを抜け、部屋の扉を開くと、それまでとはガラッと印象が異なる空間が現れる。5F角部屋のリノベーション空間。白く塗装されたスケルトン天井や壁、明るめのモルタル床に、黒塗装の立ち上げ床や3Mもあるキッチンカウンターによって、グッと空間を引き締めていた。雰囲気的には、オフィスとも住居とも言えず、どれかと言うとカフェやサロンのような印象だろうか。このキッチンでドリンクを出したら、それこそコーヒースタンドに様変わりするだろう。北向きではあるが、2方向に窓も多く、全体をぼんやりと明るく照らしている感じがなんともクールな空間だ。そんな窓からチラチラと気になってはいたが、外にはさらに大きなサプライズが待っていた。そこには広々とバルコニーが現れ、眺望の抜け感もお世辞抜きに抜群。すぐそこにはAoビル、反対側には六本木のビル群などが望められ、大きく手を広げて深呼吸したくなるような、すごく気持ちのいい場所だ。空間ももちろんながら、このバルコニーが付いてくることで、この空間での過ごし方のイメージが膨らみ、特別な物件となった。
>>WORKSTYLE
少々内装の遊び心が過ぎた分、意外とデスクの数が置けないなど、オフィスとしてはレイアウトが悩ましい点もある。そこで、例えばこの空間を、ただ働く場ではなく、サロンのように集まる場としてイメージを切り替えてみてはどうだろう。積極的にリモートを取り入れることで、デスクワークの機能は最小限に。代わりに、キッチンカウンターやバルコニー面には、スツールや腰掛け、ソファーなどを置いて、居心地の良さを追求してみる。スタッフは自由に立ち寄って打ち合わせをしたり、夜な夜な集まって酒を飲み交わしたり、天気のいい日はバルコニーでゴロゴロしてみたり。そのような柔らかい使い方の方が、一見無駄にも見えるこのデザインや大きなバルコニーも、うまく活用する事が出来るんじゃないかと思う。今時な姿に生まれ変わったばかりのこの空間。なにかと働き方の変化が激しいこの時代に合わせ柔軟にうまくリンクする事ができれば、きっとこの空間の魅力はさらにさらに増していくんじゃないかと期待している。
EDITOR’S EYE
賃料設定は少し強めに感じたが、このバルコニーがもれなく付いてくると考えると、それだけの価値は十分感じた。オフィス機能は最小限に構えつつ、社内専用のカフェや夜にはバーなど、全力で遊び倒した使い方ができたらすごく魅力的だ。