南青山SOHO|居抜きリノベーション空間
EDIT
>>LOCATION
場所は南青山の深いところ。青山通りから骨董通りを進み、駒沢通りと交わる交差点を越えたあたりにこの建物はある。隣接する建物は、骨董通り沿いの1FにMATE.BIKE TOKYOが店を構え、素敵オーラが滲み出ている。この空間は、そんな建物の影に隠れているようなひっそりとした場所で見つけた。
>>SPACE
室内は、もともとスタンダードなオフィス空間だったものを、数年前にきっちりリノベーションした状態だ。3F建のコンパクトな建物の最上階で、空間の完成度だけではなく、プライベート感が高い性質も併せ持ち、おまけにとても静かな環境と、妙な居心地の良さを感じた。
無垢のフローリングに優しいグレーで統一された壁と天井。現状でいうと開口部の多くはボードで塞がれているので、健やかさというより、包み込まれているような安心感といった方がしっくりくる。もちろん、開口部を塞いでいるボードを撤去することも可能なため、開放感や気持ちよさを優先の場合は、サクッと撤去してみるのもいいだろう。
贅沢にも、もともと住宅として使われていたということもあって、おしゃれでゆったりとしたシャワールームも完備。利用しないのであれば、収納庫としてはかなり良いサイズ感だが、働くにしても、暮らすにしても、ゆったりとしたスタイルが似合う空間なので、このまま活用できたらこの空間も活きることだろう。
>>WORKSTYLE
最初に少し話したが、元々スタンダードなオフィス仕様だったこの空間は、以前の入居者が退去時の原状回復覚悟でこの状態まで作り込んだ。給湯などの設備やシャワーなどの水回りも当然なく、新たに追加し、床材、塗料の色、そして世界観とトコトン拘った。当然、退去する際に元々のオフィス仕様に戻すとなれば、かなりの工事費用の負担があることも見込んで。
しかし、良い空間は人を呼び込む。実際に退去するというタイミングで、この空間をそのまま引き継ぎたいという人が殺到し、貸主の了承を得て、この状態で空間を引き継がれることに。そして今回、当初のリノベーションから5年ほど経過した今、その引き継がれた空間が、新たな次の引継ぎ手を探している。順番としては3巡目。このタイミングで貸主はこの空間の状態をデフォルトとする判断もしてくれたので、退去時もこの状態を持って退去することが可能。良いものは、人を呼び寄せ、人の考えも変えてくれる。そんな風に思って室内を久しぶりに見に行けば、既に5年経っている空間がとても綺麗に使われていた。良い空間は、大事に使うという素敵なスタイルまで生み出してくれるのかもしれない。
EDITOR’S EYE
写真にはないが、3階へ上がる独占の階段室が利用可能面積に含まれている。そこはありきたりのオフィス仕様?になっているが、変更自体は相談可能。以前の利用者は、自宅のようにアートを飾ったり、ちょっとした演出に活用していた。一見そんなに大したプラスに感じないスペースも、出入りするちょっとした瞬間のために活用してみていただきたい。