南青山オフィス | コンパクトSOHO空間
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>>LOCATION
表参道と外苑前のちょうど中間あたり。背の高いビルが立ち並ぶ青山通りの中で、そこだけはいつまでもぽっかりと空間が空いていて、遠くの六本木ヒルズが望める、名もなき有名なこのスポット。そのあたりから、旧ホテルフロラシオン前の通りまで続く細い路地があるのはご存知だろうか?人気のコーヒースタンドやカフェがポツポツと並び、以前までは抜け道の印象が強かったものの、最近ではインスタ効果で徐々に知名度を高めているこの通り。そんな道を奥へつき進むと、この建物はひょっこりと覗き込むように顔を出してきた。
>>SPACE
区画は3F。外の路地がそのまま室内にまで繋がっていくようなインナーテラス付きの、整った空間。若干キッチンの主張は強いものの、それ以外の水回りはコンパクトに箱へ収められて、4~5名のオフィスなども容易にイメージしやすい空間だ。写真では少し分かりづらいが、テラスとの境に可動式の格子間仕切りがある。また、窓先の抜け感はそれほどいいわけではないが、見下ろす先には細い路地が続いていて、程よく気の抜けた穏やかな風景がまたいい。変に気取っていない自然体の通りで、ポツポツと人が通りすぎるぐらいの、温かみのある路地の風景。そんな環境にせっかくいるので、あえて設置されたブラインドは使わずに、常に窓面はオープンに。日差しが強い時は格子で光を和らげる程度で、なるべく外との隔たりを作らず、景色を眺めながらゆっくり過ごしたい空間だ。
>>WORKSTYLE
間取りだけ見ればこじんまりとしているが、実際には外との中間層のようなインナーテラスがあったり、そこから望む風景もよかったりと、サイズ以上の広がりを感じられる空間。さらに、窓から見下ろす路地も、うまく働く場の一つとして取り入れても良いだろう。コーヒースタンドのベンチで簡単な仕事をしたり、カフェでランチミーティングしたり。室内では気を引き締めてきっちりと働きつつ、気分をスイッチさせたいときは、目の前の路地をうまくシェアさせていただく。そんな働き方も、この空間だと自然に感じられる。もちろん空間単体でも十分成立する空間でもあるが、せっかくなら周辺環境もワークスタイルとしてうまく取り込むことで、よりここでの働き方の可能性を広げてみていただきたい。
EDITOR’S EYE
路地のドン突きにあたる旧ホテルフロラシオンの通りには、隈研吾氏のデザインで有名な木組みの建物がある。その2軒隣にこの建物は位置するので、案内する場合はこちらを目印にするのもいいかもしれない。個人的にはこの空間で働いたら、朝出勤するやいなや、近所でテイクアウトしたコーヒーをテラスでゆっくり味わいながら、今日1日のスタートを切るのが日課になりそうだ。