池尻オフィス | 内装費補助＆2つの大型ガレージ付きの路面空間

LOCATION
池尻大橋の駅を降り、246沿いから左手に目黒川緑道へ入る。小川のせせらぎや、緑が気持ちよく茂っているこの緑道沿い。すれ違う人もそれほど多くなく、都心とは思えない穏やな雰囲気と、ふと肩の力が抜けるような時間がとても居心地がいい。そんな緑道をのんびりと進むこと数分。さらに道を折れて、住宅街の中へ進んでいくと、まもなくこの建物はひょっこりと顔をのぞかせていた。

SPACE
建物はコンクリート性の、いわゆるデザイナーズマンション。落ち着きがありスマートな印象を受ける佇まいで、その路面部分、1Fに今回の募集区画はある。
以前まで福祉系施設として使われていたというこの空間。現在はその当時のままの姿で、奥には小さな個室や大きなキッチンスペース、水回りなどもしっかり備わっている。空間自体のデザイン的な魅力が高いとは言えないが、この物件の真の面白さは別にある。それは居室を挟み込むように両サイドに付属した、2つの大型ガレージの存在。それも車6〜8台は収まるという抜群の収容力で、どちらもシャッターやエアコン、水回りなどもしっかり備わっている。単なるガレージというよりも、もうひとつの部屋のような感覚だろうか。そんなしっかりとしたスペースだが、ここではまるでサービス程度に軽いノリで付属しているところがまた面白い。ガレージ・部屋・ガレージという、なかなか見たことのないタイプの物件。そんなユニークな姿に、思わず好奇心をくすぐられてしまった。

HOW TO USE
当初はスケルトンへの解体を予定していたというこの空間。今回はあえて現状のまま活かす代わりに、内装費1,000万円の補助＋フリーレント3ヶ月という、かなり太っ腹な条件がもれなく付く事となった。つまり、好きなうように空間を作っていいよってこと。
たとえば天井をスケルトン仕様、壁のテイストを変えるだけでも、空間はぐっと引き締まるし、浮いた予算で少し良い家具を揃えてみるのもアリだろう。とはいえ、この物件の真の醍醐味は、やはり両サイドのガレージにあると思う。中央のベースをしっかり築きながらも、このガレージをどう活かすか。ただの駐車スペースとして終わらせるにはもったいない。趣味の空間として、作業場やアトリエ、ワークショップとして。あるいは発想を逆転させて、ガレージそのものをワークスペースにしてしまうのも面白いだろう。オフィス × 2つのガレージという異色のトリオ。その組み合わせによって生まれる独特のテンポが、ここにしかない新しい働き方を作り出してくれるのではないだろうか。

部屋単体の面積で考えると割高な印象だったが、ガレージ部分が別に付いており、どちらもすっきりした箱で利用の方法も色々と考えられそうなことを考えると、意外と割安感すら感じてきた。車を多く使う会社はもちろん、なにか機材や荷物を多く保管する使い方など、かなり幅広い層にハマりそうな空間ではないだろうか。