小伝馬町オフィス・店舗 | 駅近の1棟貸し古ビル

LOCATION
かつては日本一の問屋街として栄えていた東日本橋エリア。今ではその当時の面影はだいぶ薄れてしまったが、近年では取り残された古い建物をオフィスやギャラリー、飲食店などにリノベするケースが増え、訪れる度に移ろう街並みの変化が面白い。この建物がある小伝馬町もまた、同じように街を散策すれば、古くも味のある建物が多く残り、磨いたらきっと面白くなりそうな、言わばポテンシャルの宝庫のようなエリア。そして今回も、小伝馬町駅から1分という大通り沿いに、なかなか磨き甲斐のありそうなこの建物を見つけた。

SPACE
交差点に立つ古い1棟ビル。あと数年で60歳という年齢にしては、よく管理された見た目と、レトロなデザインがいい雰囲気の建物だ。
元々は工業製品を扱う工場兼オフィスとして使われてきたこの建物。室内はB1F-7Fの8フロアで、地上部は工場や倉庫、その上はオフィスや休憩部屋のような渋い部屋も残されている。8フロアなのにエレベーター無し。さらに室内はだいぶ痛んでボロボロという、なかなかハードな状態だが、全体的に嫌な感じはしない。むしろ素地は良さそうで、窓は多くて陽も入るし、天井も高めで、最上階には屋上も付いていたりと、ポテンシャルは高そうな1棟。この個性的な見た目や室内のボロささえも、もはや愛嬌というか、味というか、そんなジワジワとくる可愛いさを持ち合わせている建物だった。

HOW TO USE
室内はお世辞にも綺麗な状態とは言えないので、ほぼ0からの大掛かりな工事が必須となると思う。なかなか一筋縄ではいかなそうだが、オフィスやスタジオ、店舗、飲食など、利用方法の自由度も高く、さらに今のご時世で、坪単価約7,400円(税別)という破格の賃料も大きな魅力だろう。
この建物は、いくつかの用途をフロアごとに組み合わせてみるのが面白そうだと思う。イメージは、下町の小洒落た小さなショップが集まる古ビル。薄暗い階段を上ると、部屋ごとに雑貨店や器屋、隠れ家的な飲食店もあれば、オフィスやスタジオなども入り、一つの建物内に多様な顔を組み入れる感じ。8フロア＆エレ無しというウィークポイントも、ここならいい潜み方として、コンセプトや世界観にうまく組み込みやすいし、建物としても深みも増して面白く使えるのではないか。もちろん通常通り、1棟でさっぱりと使うのもいいと思う。ただ、一味で終わらせるよりは、8味。いや、より無限大（♾️）な可能性と多様な顔を備えた、魅力的な1棟に仕上げてみてほしいところだ。

現状、フロアによって内装はまるで異なり、室内はかなりボロボロで、なんなら壁で閉じられた開かずの部屋までもある（開けたいようで開けたくないような。。）という、若干カオスな状況。これを整えるとなると、かなり大変そうだが、例えばあえてこの雑居感をデザインに取り込むなどして、うまい正当化の方法を見出せれば、それはそれで面白くなりそうではないだろうか。