代官山オフィス｜天高4m100坪スケルトン空間

>>LOCATION
これぞ代官山らしい場所といえば、代官山T-SITEなどが並ぶ旧山手通沿いをイメージする人は多いだろう。立ち並ぶ建物は、ほぼ3階建までとなっていて、ゆったりとした道路幅に、広い空を感じられるところも、このエリアの優雅な雰囲気を醸し出す要因の一つかもしれない。そんな通りと八幡通りがぶつかる駅近くの交差点付近を歩いていると、バブル期を象徴する様なこの建物に思わず目が止まった。

>>SPACE
今回の募集はB1F〜2Fの3区画。不思議な装飾が施された奇天烈な外観とは裏腹に、ワンフロアで80〜100坪の面積を確保し、さらには天井高も3.5〜4mと高めでスケール感があり、意外な程パンチの効いた空間だ。地上階は建物表側である旧山手通り面と建物裏側に大々的な開口部を要し、明るく健やかさを感じる空間が広がっていた。特に2Fの窓際は、窓フレームが光を乱反射して作り出すクロスの影が、室内に妙な色気をプラスしていたりと、空間自体の雰囲気は申し分なし。室内は設備も何もないフルスケルトンだが、荒々しさの中にも不思議な澄んだ感じがあって、とても好印象に感じられた。地下は地下で、暗さこそ否めないが、ドライエリアから僅かに漏れる光によって醸し出される水族館の様な静謐な雰囲気。計算されているのか定かではないが、このフロアに関しては、暗いことが正解と言わんばかりのカッコ良さが滲み出ていた。
ある種のインパクトを持った建物外観は少々悩ましいが、室内に関しては雰囲気のある大(おお)スケルトン空間だった。

>>HOW TO USE
規模感故に重くのしかかってくる初期のコストというハードルの高さはあるが、代官山駅近の立地も空間のスケール感も、そして坪単価としては抑えめな賃料設定もひっくるめて、魅力が光る物件であることは間違いない。ここを作り込んで利用できれば、どんなに楽しいだろうかと妄想が先行するものの、正直、現在の世の中の情勢的にはここまで規模の大きなフルスケルトン空間に飛びつく人はそう多くはないだろう。それでも、この空間を利用するならば、このスケール感をそのまま体感してもらいたい。下手に空間を分けたりせずに、ワンフロアを一繋ぎにしつつ、目線の違いや家具、植物などで緩やかに区切ってみると良いだろうか。元々の空間の持つどこか繊細な雰囲気のおかげもあって、少しばかり大胆に利用しても成立してくれそうなので、海外の倉庫オフィスの様な雰囲気に仕上げてみても良さそうだ。
この空間は、代官山という立地において、そんなスケール感のあるオフィスを構えられる、なかなか稀少な物件。ただし、最後に言わせて欲しい、それでもやっぱりこの物件の外観、クセがすごいんじゃ。

旧山手通りに面しているにも関わらず、それほど通行する車の音などは気にならなかった。それは、爆音で重低音を鳴らすというよりは、繊細に奏でるBGMが似合いそうなこの空間の持つ印象もあるからかもしれない。