武道館と靖国神社のほど近く。今、築39年の建物が活気に溢れている。
2005年に長い休眠を終えて再生されたビルが、今では100人を超えるクリエイターが集い、その持前の古さを長所として愛されている。今回の募集は、そのビルの顔ともいえる、エントランス2F部分と3F部分だ。

出会ったころは、残置物も散乱する廃墟で、長い建物としての役目を終えて再開発を待つだけの建物だったが、その風体は近年建築される新築ビルにはない、威風堂々とした雰囲気を持っていた。そんな建物の可能性を信じて集まったメンバーは、クリエイティブ集団co-lab。人の流れができると、入居者や訪問者はその建物のほかにはない雰囲気を楽しみ、彼ら以外の入居者もクリエイティブな意識を自然ともつメンバーが集まってきた。
建物利用者が、建物のポテンシャルを見出し建物を再生した良い例だろう。

この建物に残された時間ははそんなにないかもしれないが、共有できる価値観を持った入居者が多くいる。取り壊しを待っていただけのビルの再生をそんなメンバー共に過ごし、この建物にとっての最後の活躍を期待するのも悪くないだろう。

建物の古さを楽しむのは、そんなに難しくない。物事をみることと同じで、視点を少しだけ変えてみればいい。むき出しになったコンクリートは、約40年も前に職人が作り上げた壁。そう思うとワクワクしてくる。きっと仕事も働くという行為も同じだと思う。少しだけ見方や、考え方を変えるだけで、今までとは違ったグッとくることが見つかるかもしれない。そんな視点の変化をこの建物にいると楽しめることが多い気がする。