広尾SOHO | 最大約5.6mの吹き抜け空間

>>LOCATION
広尾駅から徒歩9分、閑静な高級住宅街が広がり、日本画美術館や大使館もあったりと、品の良さすら感じさせるこのエリア。日本赤十字社センターの入り口から伸びる下り坂の途中、1本細い路地に入り込む。60mほど進んだあたりでようやくこの建物が頭を覗かせ、なんとも控えめな性格を感じさせる。さらに進んだこの路地の突き当たり部分にこの建物はひっそりと隠れたように佇んでいた。

>>SPACE
建物外観はコンクリート調で、よくあるデザイナーズマンションの部類と言える。玄関を開けると四方がコンクリートで囲われており、閉鎖感さえ覚えたが、目線の先にある1F部分の扉から差し込む光が先を急がせる。
室内は1F-B1Fのメゾネット空間で、レジデンス仕様。1F部分は明るい色を基調としたコンパクトな空間。日の光が差し込み、さらに、吹き抜け部分での地下との繋がりからか、玄関での閉鎖感は完全に消えていた。しかしながら、このフロアではこの物件の本領は全く発揮していない。メインとなるB1Fに降りると、入室時の感覚を忘れるほどの開放感のある空間が広がっていた。なんといっても約3mの天井高、ドライエリアに面した吹き抜け部分においては約5.6mの高さを有し、思わず見上げてしまうほど。1F-B1Fとで共有した大きな窓から自然光が差し込み、そのおかげか、コンクリート打ちっぱなしの壁に挟まれる空間ではあるが、地下特有のジメジメ感は感じない。また、部屋とドライエリアの間にある窓は引き戸式で開閉が可能。MAXまで開けてしまえば、外の空気との一体感を生み、さらなる開放感を演出できる。とはいえ、静かな周辺環境からか、まるで世間から隔離されたような、自分達だけの世界が広がるような気分も味わえる、ゆったりとした時間が流れていた。

>>WORKSTYLE
路地の奥にひっそり佇むこの空間は、まさに「大人の隠れ家」という印象が強い。
奥まった立地。細いエントランスを進む。地下へ向かう。大きな空間が広がる。ここで体験できるプロセスを文字で見るだけでも、皆の思う隠れ家のイメージが浮かぶではないだろうか。この隠れ家(あえてこう呼ぶ)はレジデンス仕様のため、事務所利用の場合はSOHOのみ。さらに不特定多数の出入りがある場合はNGとのこと。それはつまり、制限されているのではなく、どうぞ自分達だけの世界を作ってくれと言われているのではないだろうか。
どうだろう。この静かで世間から離れた空間を自分達だけで味わえるなんて贅沢でワクワクしてこないだろうか。ぜひ、本当に気心の知れた3~4人程度での利用を考えてみてほしい。ひっそりと奥地に佇むこの隠れ家空間。ここでは時間を忘れて没頭するよりも、ゆったりと流れる時間を堪能しながら、クリエイティブに向き合うという楽しみ方が似合いそうだ。自分達の世界観の中で、仕事にもどっぷり、気心知れた心地よい人間関係にもどっぷりと、溺れるまで浸かって楽しんでいただきたい。

この建物の玄関を開けた時、意外と狭いのでは？という正直な第一印象。それを見事に払拭してくれたB1Fの空間との初対面の瞬間、思わず息が漏れてしまった。また、細かな事だが、各階に設置されているエアコンが木の格子で隠せるようになっていて、空間へのこだわりも感じた。一体誰がどのように、この隠れ家をモノにするのか存分に期待したいところだ。