代々木オフィス | 1棟リノベーション済みビル
EDIT
>>LOCATION
代々木駅を背にして、初台方向へ道沿いを進む。飲食店などが並ぶ、駅周辺の少し雑多なエリアを抜けていくと、次第に道沿いは落ち着いていき、昔からある渋い路面店や小洒落たカフェが点在するのどかな通りへと印象は変わっていく。この時期は街路樹の木陰が気持ちよく、歩くことへのストレスも、この道中ではあまり感じられなかった。そんな道を5分ほど進んだ、小田急線と交差する少し手前にこの建物は立っていた。
>>SPACE
2021年8月に1棟リニューアルが完了したばかりの建物。外観は元々の姿を残しつつも、レンガタイルでしれっと新たな装飾を加えたエントランス部分が印象的だ。実はこれ、三菱地所×OpenAのタッグによる古ビルを再生していく人気シリーズで、今回はその最新作というのと、渋谷エリアに初めての進出となる記念のタイミングだ。
建物はB1Fから3Fまでの4フロアで構成されている。室内は基本的には同じ作りで、今や定番とも言えるスケルトン天井に、床はフロアタイル敷のOA仕様。シンプルな室内に、エッジを削ったようなカーブする柔らかな窓面と、それ越しに望む緑が気持ちよく写り、どのフロアも落ち着いた大人のような印象を受けた。そんな空間がベースにありつつも、2Fにはキッチンカウンターが置かれたり、B1Fには直通階段付きのコートヤードが付いていたりと、少しずつフロアの個性をプラスしている。特に3Fは特別区画で、その上にある大きな屋上付き。広々と、デッキも新設されていて、周辺の抜け感もだいぶgoodなプレミアムスペース。どのフロアの雰囲気は良いものの、さすがに3Fだけ、なんてズルい。。そんな声がきっと漏れてしまうような、特別な特典付きだった。
>>WORKSTYLE
過去の同シリーズを知る身としては、正直、今回の内装はだいぶ丸くなったなという印象を受けた。これまでは、若気の至りのように、挑戦的で、ザックリと荒っぽいスケルトン仕様が特徴であり、それがまたこのシリーズの魅力だった。そんな中、今回の建物は、良くも悪くも落ち着いて、整えられたマイルドな印象。ただ、もちろんそれが悪いと言いたいわけではない。むしろこれまでのような尖りがない分、幅広い層に受け入れやすくなっていて、例えば女性中心の企業に合いそうな可愛らしさもあるし、一段階落ち着いて、次のステージへ向かっていく大人な会社などにも、いい感じに温度感を合わせてきそうな落ち着き感もある。丸くなったから後退したわけではなく、新しい層へも受け入れやすいように進化を感じる今回のリノベ。丸くなって、なお挑戦をしているようなこの建物のスタンスを肌で感じていただけたら、ここで説明するより何十倍もこの空間への魅力を共感していただけるはずだろう。
EDITOR’S EYE
現在であれば、1棟でも複数フロアで借りるのも可能だ。このエリアにしては、少し賃料の設定が強気な印象は受けるものの、駅も比較的近く、空間もその分の満足感はきっとあるだろう。