西麻布オフィス・店舗|元アパレルのショールーム 居抜き空間
EDIT
>>LOCATION
南青山7丁目と広尾2丁目に挟まれ、2つのおしゃれエリアの境界になっている日赤通り。六本木通りから少し入ったところにある商店街は、広尾エリアからは高級住宅街を抜けて、表参道エリアからは骨董通りを抜けて、という面白いアプローチをする駅から結構離れた立地にある。どこの駅からも遠いことから、巷では「港区のチベット」とも呼ばれているらしいが、洒落たお店の中にも老舗の和菓子屋や弁当屋があったりと、昔ながらの下町っぽさもありなかなかいい味を出している。そんな商店街の中に、黒い外観、そして1Fの左右に赤い看板の飲食店とコンビニを携えた、ある種西麻布らしいカラーパターンの建物がたっていた。
>>SPACE
エレベーターで2Fへ上がり扉が開くと、そこに現れるのは、どこかホール感漂う空間。昔ながらの幅狭なフローリングや、建具の色合いや、そして、ちょっと演出強めの天井の梁や模様などから、どこか公共のホールっぽさを感じるポイントかもしれない。中央には存在感強めの柱が立っていたが、それよりもその先にある天井から床まで一面の開口部に目が奪われた。特段、窓先が抜けているわけではなく、隣地の壁が一面を塞いでいるのだが、少し距離がありつつ光が差し込んでいることから、奥の建物まで壁がなく空間が続いているような錯覚があり、実数よりも広く感じた。その反対側の日赤通り側には外に向けて突き出しているガラスケースのような部屋が2つ。コンパクトながらも通りを見渡すことができる開放感あるスペースだ。全体的にどことなくだが、床・天井・扉などに学校の体育館とか応接室の香りを感じるところがあり、不思議な懐かしさを覚える面白い空間だった。
>>WORKSTYLE
比較的整っている空間なので、ここからさらに、大きな開口部を最大限に生かしたり、天井を高くしたりと思い切った改修も悪くない。でも、せっかくなら、このどこか懐かしさを感じる雰囲気をそのまま活かして使い方を考えてみてはどうだろう。オフィスの受付や仕切りも、役所や銀行のような腰の高さのカウンターや棚を利用し、空間全体を見渡せるようにする。一見邪魔そうな中央の柱も、あまり見せたくない部署の目隠しとして利用できれば、わざわざ壁を作ることもなく空間をうまく使えるだろう。そして、この空間の特徴として無視できない、外に突き出したガラスケースの2部屋は、打ち合わせスペースだけに留まらず、通り側からの視認性を活かして、企業の存在をアピールしたり、道ゆく人たちが興味をそそる仕掛けを考えてみてもいいだろう。公共の場感ある雰囲気だからこそ、室内も室外に対してもオープンに気持ちよく働けたら、この空間はもっと活きることだろう。
EDITOR’S EYE
もともとは、アパレルのショールームとして使われていたこの空間。天井のパイプなどもその名残だ。それとは別にこの空間には2つの倉庫のような個室もある。その名も多目的室と名付けられてる。。やっぱり公共のスペース感が抜けない。笑