EDIT
>>LOCATION
青山通りと外苑西通りが交差する外苑前の交差点。かつてランドマークとして親しまれたベルコモンズ跡地には、2020年に新たな複合施設が誕生予定とのこと。正直、これまでは表参道と青山一丁目の間という印象だったが、今後はよりこの周辺が華やかになり、このエリアの存在感が増すことも期待できそうだ。そんな交差点から、外苑西通りを西麻布方向へ緩やかな坂道を進むこと間もなく。右手にこの建物は見えてくる。
>>SPACE
建物は平成元年築というのが頷ける外観。雰囲気がいいとかおしゃれということではなく、しっかりしているといった印象だろうか。そんな時代感が反映された、加点とも減点でも評価しがたいスタンダードなビルの最上階に、このとびきりの空間はあった。
エレベーターを下りて空間を見上げる。室内はスケルトンのため、元々の天井高に加え更に高さを感じる。述べた通り、見上げるという表現がしっくりくる空間だろう。荒削りの空間にたっぷりと採光を確保するのは、大きく空いたピラミッド型の天窓だ。開口部は、天窓を含めると5方向にあり、どこからでも光を取り入れるという出来過ぎの環境。ここまで素材が良いと、スケルトンという状態が色々な可能性を勝手に広げてくれるんじゃないだろうか。
>>HOW TO USE
きっとエレベーターを下りた瞬間がはじまりの合図。実際の空間をみた時の驚きの余韻が残るうちに、どうやってこの空間を使うかのイメージが上積みされていくことだろう。もちろん、実際にはスケルトンに対しての設備投資や広さや賃料のバランスなど、現実的な前提条件はあるものの、この空間を見てしまうと、それらを乗り越えてでもと思わせるだけのパワーは必ず感じられるはずだ。この空間は、気心の知れたスタッフやメンバーたちと、クリエイティブな視点と遊び心をもって見学していただき、この空間を利用する楽しみの方法を導き出していただきたい。
EDITOR’S EYE
原則スケルトン渡しとなるが、現テナントの内装引き継ぎも相談可能とのこと。以前の入居者はこの世界観をフルに活かしたスケルトン風空間で、とても雰囲気のいい飲食店を運営しており、その時の内装を今の入居者も引き継いだということなので、期待できるんじゃないだろうか。