千駄ヶ谷オフィス|スケルトン天井のシンプル空間
EDIT
>>LOCATION
場所は北参道、千駄ヶ谷エリア。このエリアのランドマークとも言える千駄ヶ谷小学校やロン・ハーマンを境に、次第に神宮前らしさはなくなり、落ち着いた穏やかな街並みが続いていく。商業性の強い原宿エリアの様な華やかな印象は薄いが、アパレルやデザイン関係の企業のオフィスが多く、街ゆく人々はどこか感度高めで、雰囲気の良い人が多い。そんなエリアの一画に、1Fにアパレルショップが入居するこの建物を見つけた。
>>SPACE
1Fのアパレルショップの脇を縫う様にある少々控えめなエントランスから上階へと進む。
室内は、天井がスケルトンベースに白塗装、床は優しい色味のフローリング調の空間。若干床材の質感に悩ましさはあるが、比較的シンプルにまとめられ、スッキリとした空間で印象は悪くないだろう。空間がコンパクトであることもあって、ライティングレールと照明、そして窓枠のブラックといったちょっとした要素が、この空間にピリリとスパイス的なアクセントを加えている様に思えた。さらに、建物正面側にある大きな横長の窓もこの空間の良い引き立て役。敢えて全面が窓ではないことが功を奏し、落ち着いて働くことができそうな心地良い適度な明るさを感じられた。
オーソドックスな外観、控えめなエントランス、それらの印象が期待値を上げすぎないからこそ、室内に入った時にその良さがしっかりと身に染みる空間だった。
>>HOW TO USE
この空間に入った時に感じた意外な良さが染み渡るという感覚。紐解いていくと、ツボを押さえたなかなか気の利いた空間であることに気づく。空間自体はコンパクトであるものの、整った形状で使い勝手の良さそうな間取り。余計な配線もなくスッキリとしたスケルトン天井に、ギャラリーの様な配置のライティングレール、空間に対して気持ち良いバランスの窓のサイズなど。そのどれもがパッと良さを主張するというよりも、じんわりと押し寄せてくる様な良さとも言えるかもしれない。
少々味気ない印象の床に関しては、質感のあるフローリングなどに変更したりと多少手を加える必要はあるが、あまり装飾せずにシンプルに利用することが、この空間の持ち前の素の良さを発揮してくれる気がした。
派手な主張をしない分、じわじわとその良さが浸透していく様な感覚の空間。そんな空間でじっくりと自分の仕事に向き合い、人々の心に染み渡る様な作品やアイディアを生み出して頂きたい。
EDITOR’S EYE
現在2Fと4Fが募集しているが、4Fは元々2つの住居区画だったそうだ。そのため、玄関が2つあったり、家庭用の壁掛けエアコンがついている。その代わりと言ってはなんだが、バルコニーもあり、窓からの眺望も目の前には建物がなくなり、面積には大きな差はないので、お好みで選んでみて頂ければ。