南青山オフィス |ルーフテラス付き物件
EDIT
>>LOCATION
青山通り、いちょう並木付近を青山霊園側へ折れると、ロードサイドの高い建物に守られた、静かな住宅街が顔を出す。小さなアパートや戸建てに囲まれたこの地は、青山という品を保ちつつも、どこか庶民的な雰囲気だった。今回の物件はそんな住宅街の中にあり、背後には青山霊園が広がっている。静かで人通りも少ないその場所は、耳を澄ますと霊園の木々がさわさわと揺れる音まで聞こえてきたくらいだ。
この物件は周辺の住宅に比べるとかなり大きく、一面に纏った深緑色のタイルの素材感も異質な雰囲気。ゆったりと鎮座した姿は、住宅街の中で不思議な存在感を放っていた。
>>SPACE
今回の物件の第一印象は、人に例えるとまるで「ユーモアのある淑女」のような空間。その理由は、空間のデザインと立地の組み合わせに起因していると思う。例えば、キャッチーなペンダントライトや、無垢材のアクセントウォールなどが施された空間は、遊び心のある印象だが、それと同時に、あくまで綺麗にまとめて、遊びの度を超えないような佇まいに仕上げているのが心地良い。特に、1Fから4Fまで全ての空間で深緑色とグレーの配色に統一されているあたりには、几帳面さと遊び心の共存を強く感じてしまった。
そして立地面でも、静かな環境の中、真隣に広がる霊園の厳かな空気に常に触れているという点が、自然とお行儀よくなってしまう独特な雰囲気を漂わせる理由だろう。特に、ルーフバルコニーからは一面に広がる霊園が見えるので、より強く厳かさを感じる。そんな立地と空間のバランスが、ユーモアがありつつ、淑女のようなおしとやかさを感じさせる所以だ。
>>WORKSTYLE
この空間は、作り込むという意味では既に完成度が高く、あとは家具を運び込むくらいですぐに利用開始ができるだろう。どの区画もメインスペースに個室がプラスされた空間構成なので、そういった点からもオフィスとしての使い勝手は良さそうだ。
あとは、レイアウトが完了した空間の中でどのように過ごすか。イメージとしては、より内向的な働き方がしっくりくるような気がする。客人を多く招き入れ、たくさんの交流と共にワイワイ働くというよりは、静かな環境の中、心を開いた仲間だけで、リラックスムードで作業にあたる。そんなちょっとお上品な日常がきっとこの空間には合っているし、空間の持つ穏やかな上品パワーが、自然とそんな過ごし方にさせてしまうような気がした。ここは素直にそのパワーに従って、青山の紳士淑女ライフを楽しんでみていただきたい。
EDITOR’S EYE
この物件は区画分けが少々複雑で、全体を知らずにウロウロすると自分の位置を見失ってしまう。そんなちょっとした迷路みたいな空間構成も、この物件の面白いところだ。