EDIT
テラスに出ると、季節の匂いにあいまって、近くのカフェから立ち込めるあったかい雰囲気だったり、都会的なピンと張りつめた雰囲気だったり、様々な感覚が鼻をつく。
しばらくその空気に浸っていると、空っぽになったはずの集中力が満タンになっていく。街の道端でただぼーっとすることもできないし、カフェに入ったら入ったで要らない雑音が気になることもある。
ここは、すべてをフラットにリセットできる場所“テラス”のあるオフィス。
メゾネットタイプの空間は、建物の最上階ということもあるのか、ちょっとした隠れ家感を漂わせている。上下階ともにテラスはあるが、スペシャルな場所にしたいのは上階のテラスだ。
最寄駅は表参道。駅からの通勤路は携帯をいじったり音楽を聴いたり、オフィスまでの最短距離を通る等、無意識的に同じにしてしまいがちだが、ここではあえて周期的に変えてみる。
ある時期は表参道側からオフィスにつながる裏道へ、またある時期は青山通りからオフィスへ。いかに早くオフィスに着くか、ではなく、いかに何かを感じてオフィスに向かうか。
ショップのディスプレイや街路樹の変化、歩く人だったり…せっかく一日の多くを過ごす働く街を無意識に通っていてはもったいない。一日のはじまりを告げるべく、街を肌で感じながら仕事をスタートさせるのも悪くない。
EDITOR’S EYE
働く街が変化を与えてくれるのではなく、自分がいかに変化をつけられるか。そう意識するだけでも見えてくるものはまた違ってくるかもしれない。
“働く”という考え方を変えることができるオフィスになりそうだ。