恵比寿オフィス | 新築デザイナーズビル
EDIT
>>LOCATION
恵比寿駅西口を出て、駒沢通りと並行して伸びる「恵比寿銀座通り」を道なりに進む。入り始めは飲食店などが並び、少し雑多な印象も所々あるが、次第にそんな空気も薄れていき、2つ目の交差点を迎えるころには、人通りもまばらな落ち着いた環境となる。その交差点を渡り、もう少し緩やかな上り坂道を道なりに進むと、間もなくして右手にこの建物は現れた。
>>SPACE
2018年7月末に完成したばかりのこの建物。2つの道が交差する土地に沿って立つため、見る角度によっては、鋭角な刃物のようにエッジを効かせた姿がまた面白い。今回ご紹介するのがその建物の路面にある店舗・オフィス区画で、道から3ステップほど階段を登った入り扉を開けると、その空間が現れる。室内はB1-1Fのメゾネットで構成されていて、コンクリート打ち放しの壁や天井、床は濃いフロアタイルでトーンを落とした、どちらかというと男性っぽいテイストの空間。1Fの道路側に向く窓は外がミラー仕様になっており、室内が見えにくいようになっているために、わざわざブラインドなどで光や風景を遮ってしまうようなもったいない使い方は必要なさそうだ。かたやB1には窓がないために、当然というか、光や風は抜けない。しかし、一部天井に施されたスリットから1Fの光が溢れ落ち、存在感あるコンクリートの壁を柔らかく照らしている。少し好みは分かれるかもしれないが、空間は一通り作り込まれているので、このまま家具を運び込むだけでも成立しそうな空間だ。
>>WORKSTYLE
路面からもスッと入りやすく、顔もそれなりに作りやすいこの区画。また、その内部は2フロアに分かれているため、店舗やオフィスなどを使い分けにも良い。ただし、あまり人通りは期待できない通りなので、例えばクリエイティブな職人さんのショップ兼仕事場など、この場所に来るべき強い目的性をもたせた使い方が必修だろう。そんなコツコツとものづくりに専念するような空間には、1Fのうっすらと内部を覗けるミラーガラスがいい具合に映えてきて、結果的にとても良い雰囲気を演出する事になりそうだ。今後どのような使われ方をするかが楽しみなこの空間だが、そんな物件には乗り越えなくてはいけない最大の壁がある。それはこの賃料設定、、正直高い。人気の恵比寿エリアで、新築、店舗も可能という加算ポイントを付け加えたとしても、それでもこれはハードル高いだろう。しかし、その分内装は作り込まれているので、例えば内装費分も込みの金額だとポジティブに割り切ることで、数年間の目線で、この高い壁を超えていけないだろうか。あえて最初は自らに負荷をかけ、緊張感の中で働くことによって、近い将来、これまで高く感じていた壁も、低く感じられるような急成長をこの空間で成し遂げられたら面白い。
EDITOR’S EYE
恵比寿駅前の飲食店エリアや、駒沢通りなどへもすぐに出られてしまう立地ではあるものの、建物の周りには住宅や教会などが並び、恵比寿ということを忘れるような静かな環境がまたいい。上のレジデンス区画も同時募集なので、この建物内で住む・働くを同時に済ませてしまうなんてのもいいだろう。