六本木オフィス・店舗|視認性良好 スケルトン空間
EDIT
外苑東通りのミッドタウン前交差点をBARNEYS NEWYORK手前へと折れ、国立新美術館方面へ。曲がった先には、国立新美術館から吹くアートな香りと沿道の緑が入り交じり、六本木エリアとは思えない健やかさが感じられる気持ちのよい通りが現れる。美術館少し手前を住宅街に進んだ場所にある今回ご紹介する建物。正面はシンプルな外観ながら、脇から見るとそのポテンシャルを十分に感じさせてくれる空間が迎えてくれた。
道路に対して垂直に細長く建っているこの建物。正面のエントランスをくぐった先の室内は視線を遮らない長方形のレイアウトと隣地駐車場に面した壁一面の窓ガラスにより、面積以上の広がりを感じる空間となる。躯体を露にした天井とモルタルの床・白く塗装された壁面はやや無機質な印象も受けるが、このまま机を運び込めばすぐにでもオフィスとして成立するかと思うレベルに整っており、力の抜けたラフさを併せ持つ居心地の良い雰囲気に溢れていた。
シンプルで整った空間だからこそ、空間を構成する部材一つ一つにまでこだわり徹底的にデザインして頂きたい。空間を壁で区切る事は敢えてせず、色や素材感によってうまくレイアウトを区切り、この空間全体での表現を楽しめると良いだろう。水平に広がる窓面からは駐車場を眺める事となる為景色が抜群とまでは言えないが、建物の影に影響されない室内空間は明るく開放的と表現しても言い過ぎではないはず。内部からの視線に留まらず、外部からの見え方までも意識した空間に仕上げて欲しい。
以前入居していたテナントは、内装時にその全ての図面や制作手順を公開し、物流パレットでOAフロアを構成したりと様々なアイデアにトライされていたとの事。空間に漂うイノベーティブな流れを引継ぎ、目一杯のアイデアと遊び心を詰め込んで、革新的なオフィス空間の創造にチャレンジして頂きたい。
EDITOR’S EYE
近隣には飲食店もあり、最寄駅の出口からは徒歩4分。ミッドタウンも近く、美術館まで。通勤時にはBlue Bottle Coffeeも楽しめる。ポジション勝ちと言える立地の上、更にこの空間のポテンシャルとくれば、少なくとも検討して損は無い物件だと言えるだろう。