EDIT
>>LOCATION
渋谷から明治通りを恵比寿に向かい進み、渋谷橋の交差点を青山方面に登る。山種美術館裏手の各国の大使館や高級住宅が立ち並ぶまさに「広尾」を感じさせる様な雰囲気の細い路地の奥で、まるで人目を阻むかのように佇む一棟を見つけた。
>>SPACE
元々はコーポラティブハウスとして建築された総戸数6戸の今回の物件。入口からストレージルームの先にある光の漏れる階段を登り2Fに上がると、南側一面の窓から明かりの射し込む開放的なリビングが現れる。3Fには個室が一部屋とウッドデッキのテラスがあり、全体的に住居っぽさはあるものの、それでもこだわって作られた住まいとしての高いスペックを感じる事が出来るだろう。
空間それぞれが纏まった面積を確保している為、オフィスとしての使い勝手も悪くないはずだ。開放感のある2Fフロアをワークスペースとするならば、現状の雰囲気を活かしながら緑で空間を区切り、デスクも大きめのダイニングテーブルでフリーアドレス。3Fフロアの個室は、プロジェクト単位のチームの部屋や、トコトン集中して仕事に打ち込める部屋として確保しておくのもいいだろう。スタッフとの面談は時にはウッドデッキのテラスで。視線の抜けの良い開放的な空間は、普段は見せない素を引き出すのに一役買ってくれるかもしれない。
>>WORKSTYLE
建物へのアプローチにやや難は有るが、この空間のクオリティを考慮すれば、そこは大目に見ても良いのかもしれない。元々が住居という事もあり、通常のオフィスでは感じる事の出来ない「居場所」としての心地よさが強く感じられる。環境の良いこの閑静な広尾の隠れ家をBaseとして、思う存分アイデアを生み出す事に専念する。そんな働き方は、魅力的なものを生み出すクリエイティブな作業を手助けしてくれるに違いない。
EDITOR’S EYE
写真の関係でご紹介出来なかった部分にもこだわりが詰まっていた今回の物件。元の家主が愛着を持って住んでいただろう事が想像できる。そんな想いを引き継いでくれる新しい家主を、この物件は静かにここで待っている様であった。そんな事を考えていたら、つい長居をしてしまった事はここだけの話にして頂けると有難い。