EDIT
牛込神楽坂駅に降り立つ。目の前の大久保通りは交通量が多くもなく少なくといったところ。しかし、有名パン屋や、Barなどが所々にあるのは神楽坂が近いからだろうか。神楽坂といえば、花街特有の石畳の路地に、料亭やレストランがみられる風情あふれる街。一方、日仏学院をはじめとし、フランス関係の機関の多さから、フランス人を始め、海外からの人も多く見うけられ、その人たちが楽しめるような洒落た店が多いのが特徴といえるかもしれない。牛込神楽坂は、そんな雰囲気が少し残る住宅街といったところだろうか。駅の出口からほんの数件の所に、この築浅のオフィスビルを見つけた。
11階建ての最上階が募集区画である。SOHOということで建てられているが、入居しているのは全てオフィスである。セキュリティーカードをかざして最上階まで登ると、エレベーターを降りてすぐに、スカイツリーが見える。室内からは東京タワーも微かに見え、東京で働いている事を実感させられる。この2大タワーが見られる贅沢な景観は、この区画の魅力の一つだろう。間取りはキッチンとバスなどの水廻りがついた60.7平米の上階と、ラインの美しい階段を降りた下階。下階は2つの空間が細い廊下でつながれており、それぞれ約47.3
平米と22.8平米のフローリングだ。全室明るく、日中は照明がいらないほどだ。グッドデザイン賞を受賞している建物だけあり、デザイン性という観点では、間違いのない本物のデザイン空間である事をご理解頂けると思う。150平米といっても、階段下の扱いにくい余白も有り、一般的なワンフロアと比較すると、利用可能な面積は減ってしまう。しかし、「余白の美」という言葉もあるように、使う事の出来ない部分を、ゆとりとして生かすこと事ができたら、空間全体の美しさが成立するのではないだろうか。そんなゆとりを身近に感じながら働きながら楽しむのも悪くないと思った。
EDITOR’S EYE
共用部分として60名規模の貸会議室、駐車場がある。また、メゾネットではない、スタンダードなオフィスフロアもあるとのこと。