EDIT
千駄ヶ谷の駅を降り、線路下をくぐって新宿御苑の方面へ出る。新宿と原宿の中間に位置するこの辺りは、マンションが建ち並ぶ住宅街である。一方この辺りには、イトキンやファイブフォックスなど、大手アパレルの本社機能があり、それに伴いアパレレル関連の企業や、ショールーム、デザイン会社などが周辺のマンションに多数入居している。住宅と企業がバランスよくおさまっているという印象を受ける街だ。
そんな街の中の、新宿御苑を縁取る大きくも小さくもない道沿いに、この物件を見つけた。1980年築であるが、空室が出てから随時リノベーションをしている物件である。今回募集しているのは1階の一室で、質のよいフローリングに、コンクリートうちっぱなしの天井、壁は白、という、程よいニュートラルさを備え、御苑間近のロケーションと相性がいい、印象の良い空間。リノベーションというと、計画に制限もあるので、実用性や快適さというよりは、デザイン性で勝負というか、中には奇をてらったものも時々ある。しかし、この物件には、「こうすべきであろう」というイメージがそのままデザインにおこされているような安心感を感じるのは私だけだろうか。
床の木材が肌になじむ、とか、窓から良い風が入る、とか、気分が落ち着く、という、目に見えにくい「心地良さ」いうのは案外、一番仕事へのモチベーションをあげてくれるような気がする。もちろん、この物件は目に見える部分もとても素敵に作られている。設計者の提案する快適さを信頼して、この際過剰な装飾はせず、仕事に集中するための、あなただけの快適な空間を作ってほしい。
EDITOR’S EYE
この物件は知っている人は知っている人気物件のため、時期によっては空室待ちをしている人も多いと聞く。また、新宿御苑には徒歩3分で行ける立地である。意外に行ったことのある人の少ない場所ではないだろうか。仕事の息抜きにぜひ訪れてほしい。